「筋肉痛」が数日後にやってくるのはなぜ?
筋肉痛が遅れてくるのは年齢の生徒聞いたことがありますが、実はその原因に年齢は関係ないようです。
筋肉痛とは
「筋肉痛」とは、運動後数時間から数日後に生じる筋肉の痛みのこと。運動直後ではなく、一定の時間が経過してから症状が生じるため、「遅発性筋肉痛」とも呼ばれています。一方、運動中から運動直後に生じる筋肉の痛みは「急性筋肉痛」と呼びますが、一般的には筋肉痛と言えば遅発性筋肉痛のことを指すそうです。
筋肉痛は年齢を問わず誰にでも起こりうる症状ですが、通常は一週間以内に自然とよくなることがほとんどです。しかし、それ以上に痛みが続く場合には線維筋痛症やリウマチ性多発筋痛症など筋肉に炎症を引き起こす病気の可能性もありますので注意が必要のようです。
筋肉痛はなぜ起こる?
筋肉痛のメカニズムは完全には解明されていませんが、現在、3つの要素が関係しているそうです。
まず一つ目に「疲労物質の蓄積(科学的刺激)」。これは、筋肉に負荷をかければかけるほど、筋肉の中には乳酸などの疲労物質が溜まり、この溜まった疲労物質が痛みを起こす原因と考えられています。疲労物質は運動直後に最も増加している為、運動直後に起こる筋肉の痛みである「即時性筋肉痛」は主にこれが原因のようです。
ただ、運動直後から体内の疲労物質は徐々に分解されていくため、すぐに筋肉痛にならず、数日後に筋肉痛がくる「遅発性筋肉痛」は疲労物質はほとんど関与していないそうです。
二つ目に「筋繊維の損傷(物理的刺激)」。筋肉は大きな力で収縮を繰り返すと、小さな断裂を起こします。そして、傷ついた部分が炎症を起こすことによって、痛みが発生します。高重量の負荷をかければかけるほど筋肉の断裂が著しく、運動中に破壊されていくため、これも主に「即時性筋肉痛」の原因であり、数日後にくる筋肉痛とはあまり関係ないようです。
最後に「筋肉が修復する際の炎症」があげられます。傷ついてボロボロになった筋肉の繊維は一度分解されてから、その部分に新しい筋繊維が合成されます。損傷した筋繊維やその周辺組織が回復過程で炎症を起こし、その際に発生する「痛み物質(ブラジキニン、ヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジンなど)」が筋膜を刺激し、痛みを伴うそうです。この筋肉が一度分解されることによって起こる痛みが、主に遅れて発生する「遅発性筋肉痛」の原因といわれています。
つまり、運動後すぐに筋肉痛がおきているのは、筋肉の断裂と疲労物質で、2日後くらいから痛いのは、回復の為の炎症と考えられます。同じ運動から生まれる筋肉痛も、今日と明日の痛みでは、原因が違う可能性が高いということになるんです。
筋肉痛が遅れてくるのは、年齢のせいではない!
筋肉痛が遅れてくる原因が「筋肉を修復する際の炎症」ということは、逆にいえば、筋肉にしっかりと負荷をあたえ、疲労物質が分泌され、筋繊維をおもいっきり損傷させる事ができていれば、すぐに筋肉痛はやってくるという事で、遅れて筋肉痛がやってくるパターンは、しっかりと身体を追い込めておらず、中途半端にしか筋肉に刺激が与えられていなかったり、どこかでセーブしてしまい、まだ余裕がある状態という事とも考えられます。
この状態が、年齢と関係してくると考えられています。全力でやっているつもりでも、年を取ってきたり、あるいはブランクが長かった場合などは、運動する機会や量が減り、肉体的なパフォーマンスが落ちてしまいます。それまでは「筋肉痛が出ないレベルの負荷だった運動」が、「筋繊維が少しダメージをうけ、分解・回復が必要なレベルの運動」になってしまうことで、翌々日に筋肉痛が出てしまう原因になるのです。
実際、20代と60代の同じような体力レベルの人が同じ負荷で運動をした場合、その後の筋肉痛の出かたや筋力の回復スピードに大差がないそうです。これに対して、日常で運動している人とそうでない人では、同じ年齢・同じ負荷でも筋肉痛の出るスピードや筋肉痛の度合い、回復時間に大きな違いが出ますので、筋肉痛の発現が遅くなるのは、年齢よりも普段どれだけ筋肉を使っているかが大きな要因となるようです。
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