はじめに

おでんや、ブリ、イカ、牛肉などとの相性もよく煮物全般に大活躍する大根ですが大根についての最古の記録は、712年成立の歴史書『古事記』における仁徳天皇の歌にある。<つぎねふ山城女の木鍬持ち打ちして淤富泥(おほね) 根白の白腕(しろただむき) 枕かずけばこそ 知らずとも言わめ>この歌は皇后に向けて詠んだもの。「淤富泥」が大根を指すそうです。今回は大根の栄養と効果についてまとめました。

栄養

①β-カロテン
大根の根の部分には含まれていませんが、緑黄色野菜である葉の部分にはβ-カロテンが多く、カイワレよりも通常の大根の方が2倍の量を含んでいます。この抗酸化物質としても有名なβ-カロテンには目の健康維持、皮膚・粘膜の健康維持といった効果があると報告されています。

②イソチオシアネート
イソチオシアネートは辛味成分で胃液の分泌を促したり、肝臓の解毒作用を助けたりする働きがあります。ただし、大根おろしにするなど細胞を破壊しないと摂取できない栄養なので、調理方法を工夫する必要があります。

大根の消化酵素が胃腸を整え、大根の根の部分には、でんぷんの消化酵素であるジアスターゼが多く含まれているほか、グリコシダーゼなどの酵素が含まれているため、食物の消化を助けるとともに腸の働きを整えてくれる効果があります。 ジアスターゼにはまた、焼き魚の焦げた部分に含まれる発ガン物質の解消をはじめ、高い解毒作用もあり、付け合せの大根おろしなどはまさに理にかなった食べ方なんだそうです。

おすすめ調理方法

真ん中から先端部分
根の真ん中部分はおでんなどの煮込み料理に、先端部分は辛味が強いので味付けの濃い料理に入れたり、漬物に利用できます。しかし、煮ることによってビタミンCやアミラーゼ(ジアスターゼ)、辛味成分のイソチオシアネートなどの栄養が損なわれてしまいます。消化酵素を取りたいときは大根おろしや漬物など50度以上に加熱しない調理がおすすめです。

葉に近い部分
葉に近い部分は、β-カロテンやビタミンK、葉酸などが豊富に含まれているので、水にさらす時間が少ない大根おろしやサラダがおすすめです。

葉の部分
大根の葉の部分も栄養が豊富なので、刻んでお味噌汁の具にしたり、じゃこいもやベーコンと炒めてご飯にふりかけるなどして溶け出た栄養を米に吸収させたりする調理方法がよいでしょう。

寒い時期に甘みを増す大根は今が旬だと言えるでしょう。色んな食材との相性も抜群の大根はこの時期おすすめです。

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