寝苦しい夜が続きます。「睡眠」の質を食事で改善しよう!
寝苦しい季節になりました。「不眠」の要因としていろいろなものがありますが、この時期は食欲が落ちることも原因の一つに挙げられるようです。改めて食事を見直し、寝苦しい夜を乗り切りましょう。
食事改善で「睡眠」の質を高めよう!カギを握る3つのアミノ酸とは
なかなか寝付けない、夜中に何度も目が覚めてぐっすり眠れない、そんな「不眠」の症状は、過度なストレス、生活リズムの乱れ、生活環境の変化など複数の要因が重なって起こるとされていますが、食事内容も一つの原因とされています。この時期は食欲が落ちやすく、簡単な一品料理などで済ませてしまうことも多いと思いますが、そういった食事を続けていると、睡眠の質が低下してしまうそうです。
人間の身体は、食事により作られ、代謝をくり返しています。睡眠の環境を整えることも大切ですが、食事により体の内側から体質へ変えていくことも大事です。睡眠の質を高めるために、食事から改善しましょう。これに欠かせない栄養素が3種類のアミノ酸なんです。
質の良い睡眠に欠かせない栄養素“トリプトファン”
まずは必須アミノ酸の“トリプトファン”です。質のよい睡眠に最も必要な栄養素で、感情を落ち着かせるために働くセロトニンと、生体リズムを整えるメラトニンの原料となります。セロトニンは、脳内の神経伝達物質の一つ。ストレスホルモンによって興奮した神経を沈静化し、イライラした感情を抑える働きがあり、就寝時に寝つきやすい精神状態になるように助けてくれる効果があります。トリプトファンは、体内でセロトニンへ合成されますが、このセロトニンの一部は、夜になると今度はメラトニンへ変わります。メラトニンは、睡眠ホルモンと呼称されるほど、眠りに深くかかわる必須の成分です。人間の体には、体内時計と呼ばれるしくみが備わっており、1日の生体リズムを無意識のうちに調整してくれますが、体内時計は24時間より少し長めに設定されているため、自然の周期との間で、毎日少しずつズレが生じてしまうそうです。この体内時計のズレを修正してくれるのが、メラトニンです。朝、日光を浴びると、体内時計はリセットされ、脳からのメラトニンの分泌が、一時的に止まります。そして、起床してから14〜16時間経って夜になると、再び分泌されるようになるそうです。
トリプトファンがメラトニンになるまでには、時間がかかるため、夜にメラトニンを十分に分泌するためにも、朝食にトリプトファンを摂取しましょう。トリプトファンを多く含む食材は、牛乳やバナナ、鶏むね肉、チーズ、大豆製品、牛肉、ナッツ、卵などがあります。忙しくて朝食をとる時間がない人は、牛乳を飲んでバナナを1本食べるだけでもいいみたいです。
興奮を抑え、心身をリラックスさせる“GABA”
二つ目に重要なアミノ酸が“GABA”です。脳や脊髄で働く抑制系の神経伝達物質で、脳内の血流を活発にし、酸素の供給量を増やしたり、脳細胞の代謝機能を高めてくれます。興奮を抑え、心身をリラックスさせる働きがあるため、睡眠薬の多くは脳内でGABAの作用を強める物が多いそうです。
GABAは、カカオや玄米、トマト、雑穀類、ブロッコリースプラウトなどに多く含まれています。
深部体温や生体リズムを整える“グリシン”
三つめの重要なアミノ酸は“グリシン”です。人間は眠りにつく時に、体の内部の温度である深部体温を下げることによって、心地よい眠りにつくことができるそうです。グリシンには、この深部体温を下げる働きがあるのに加え、体内時計に作用して生体リズムを整える作用もあるので、その点からも不眠の解消には有効なんです。
“グリシン”はエビやホタテ、イカ、カニ、カジキマグロなどの魚介類に多く含まれています。不眠にお悩みの方は、これらの食材を積極的に食卓に取り入れてみましょう。
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