奇跡の野菜「ビーツ」とは

「ビーツ」と言っても、あまり馴染みはないと思いますが、実は江戸時代に日本に入ってきたと言われていて、「火焔菜(かえんさい)」という和名もあるんです。実は「奇跡の野菜」「食べる輸血」と言われるくらい栄養が豊富で、ロシアでは厳しい冬を乗り切るための栄養満点の料理であるボルシチの材料として使われているスーパーフードです。

「ビーツ」で注目を集める成分「NO(一酸化窒素)」!!

「ビーツ」が、「食べる輸血」と言われているのは、リン、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、鉄、カルシウムなど、ミネラルが豊富に含まれていることに加え、“NO(エヌオー)”という「一酸化窒素」を豊富に含んでいるためです。

元々、注目され始めたのは、硝酸塩を多く含んでいたことからでした。硝酸塩はいわゆる灰汁(あく)のことで、野菜のえぐみ成分となるものです。これまで硝酸塩は多くとり過ぎると体内で毒素になる言われてきましたが、近年の研究で「一酸化窒素」を作り出す手助けをする物質であることが分かりました。

「一酸化窒素」は血液の流れをよくするだけでなく、血管自体の筋肉をしなやかにして拡張させる作用があり、脳卒中や心臓病の原因となる血栓を予防する働きがあります。さらには、血流量を増やして体内の酸素が効率よく使われる手助けをする働きがあるため、筋肉増強効果や持久力のアップが期待できるだけでなく、疲労回復効果も期待されています。また、血流量が増え、全身の血行がよくなれば、基礎代謝率も高まり、ダイエットの効果も期待できます。

「一酸化窒素」は体内で作られますが、年齢と共に生産量が下降してしまいます。それを補うために硝酸塩が必要になるようです。

スーパーフード「ビーツ」には栄養が満載!!

「ビーツ」には、天然のオリゴ糖や食物繊維が含まれているので、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌の働きを抑制するだけでなく、老廃物やコレステロールを体外に排泄する働きがあります。 便秘や下痢気味の方は、積極的に摂るようにするとよいでしょう。

また、ビーツが含む「ベタイン」という成分には、肝臓の機能を高めたり、肝臓に脂肪がつきにくくする働きがあるため、肝硬変や脂肪肝を予防する働きがあると言われています。そして、ビーツの赤い色素成分である「ベタシアニン」には、強い抗酸化力があるため、がんを予防する働きがあるとも言われているなど驚きの効果が盛りだくさんの野菜なんですね。

日本では、身近で見かける野菜ではありませんが、最近では赤ビーツを100%含んだジュースなども販売されているので、ビーツを効率よく摂りたい方は試してみましょう。

関連するまとめ

慢性頭痛のなかで一番多いのが緊張型頭痛

無理な姿勢や過度な緊張、ストレスなどが重なって起こると考えられている緊張型頭痛。 慢性頭痛のなかで一番多いの…

名脇役、三つ葉を知ろう

三つ葉はとても香りがよく、お吸い物や丼物の具、爽やかな香りと鮮やかな緑はとてもいいアクセントになります。

40歳以上の日本人の5人にひとりが罹っている「脂質異常症」とは?

狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの危険因子になると言われている脂質異常症。厚生労働省が実施した調査によると脂質異…