過剰摂取は禁物?!「プロテイン」のメリットとデメリット
いまやアスリートだけではなく、一般の方でも利用者が増えている「プロテイン」ですが、必ずしもメリットだけではないようです。デメリットも理解したうえで正しく摂取しましょう。
タンパク質の体内での働き
基本的には「プロテイン」はタンパク質を中心とした食品の一つです。「タンパク質」はエネルギー産生栄養素の一つで、からだづくりには欠かせない栄養素。筋肉はもちろん、ホルモンや血液中のヘモグロビン、免疫機能に関係する抗体などもタンパク質です。体内のタンパク質はその役割ごとに数万種類も存在しています。それらはアミノ酸が数十個から数百個結合することで機能の異なるタンパク質をつくっています。アミノ酸は体内で合成できるものと、体内で合成できないため食事から摂取しなければならないものに分類されます。後者を必須アミノ酸とよび、それらをいかに効率よく食事から摂取できるかが重要です。
体内でタンパク質が合成されていく一方、古くなった体のタンパク質は分解されています。つまり絶えず新陳代謝しているということです。成人はこの合成と分解の量がつりあっているためバランスがとれています。しかしアスリートのように筋肉を肥大させたい場合は、分解される以上に合成させなければならないため、十分な量のタンパク質摂取と筋肥大のタイミングを考えた摂取が必要です。
アミノ酸は約20種類程、存在していると言われていますが、アミノ酸の種類が不足するとタンパク質の合成がうまく行われないため、すべてのアミノ酸をそろえることが重要です。中でも分岐鎖アミノ酸(BCAA:バリン・ロイシン・イソロイシン)は筋タンパク質の合成やリカバリーに関する報告がされており、アスリートにとっては重要なアミノ酸と考えられています。このようにアミノ酸が筋肉の原材料となっており、肥大させるためには分解される量以上の摂取が必要となります。そのため効率よく摂取できる「プロテイン」はやはり魅力があると言えるでしょう。
「プロテイン」の過剰摂取によるデメリット
基本的には「プロテイン」に直接的なデメリットはありません。ただし、どんな食べ物でもそうですが、過剰摂取すると問題が出てきます。
過剰摂取しても筋タンパク質の合成には限界があり、タンパク質を一度にたくさん摂っても、すべてが身につくわけではありません。筋タンパク質合成を高めるための1回の最大タンパク質摂取量は20~25gであるといわれています。
また、タンパク質には糖質同様、1gあたり4kcalのエネルギーがあるので、過剰摂取はカロリーオーバーにつながります。
「プロテイン」を利用するメリット
もちろん過剰摂取さえ行わなければ、「プロテイン」の摂取は有効です。筋肉を肥大させるために重要なタンパク質を摂取するには大切なことがあります。まずは摂取のタイミングを考えた補給をすることで、運動前や運動中のプロテイン摂取は、からだづくり、持久力の保持につながり、運動後の摂取はリカバリーや筋タンパク質の合成についての報告がされています。
次に、脂質の過剰摂取にならないようなタンパク質強化メニューを継続させることです。食事のみのタンパク質摂取は量的には可能ですが、肉や魚などをつかったメニューには脂質を多く含む場合があります。食事のタンパク質量を増やすことが脂質過多を招きやすくなります。プロテイン摂取が脂質摂取量をコントロールしやすくし、体重管理に役立つことも考えられます。
これらは「プロテイン」を利用することで実現しやすくなりますので、プロテインのメリットと言えるでしょう。
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