クマエビはクルマエビ科ウシエビ属のやや大型のエビで、日本に限らず、生息域の各国で重要な水産資源となっています。インドやインドネシアでは養殖も行われている。産地によって古くから呼ばれている名称があり、その主なものでは和歌山県をはじめ紀伊水道から大阪湾にかけてのあたりでは「アシアカエビ(足赤えび)」、浜名湖周辺では「アカアシエビ(赤脚えび)」、大分県辺りでは「キジエビ」などとも呼ばれているそうです。

クマエビについて

車エビより少し大きく、味が良い上に加熱調理すると綺麗に赤く色付くこともあり車エビに次ぐ高値で取引されているそうです。

① 生態
太平洋の西部、南部からインド洋、紅海の沿岸各地に広く分布し、日本海側では富山湾あたりから西、太平洋側では千葉県辺りより南の沿岸に分布する。水深70m程度までの砂底や泥底に生息するようだが、多くは水深20m以浅にみられる。産卵期は6月下旬から8月中旬頃の夏で、5月下旬に和歌山県雑賀崎港に水揚げされたものは多くが卵巣が発達した状態だった。

②特徴
クマエビの大きさは雌の方が少し大きくなる傾向があり、大きいものだと体長23cm100gを超える。体の形は車エビと似た細長い円筒形で、赤褐色の地色に淡く色の薄い横縞模様があります。

③ 産地
クマエビは関東以西の各地で獲れますが車エビのように養殖はされておらず、国産のものは全て天然物となっています。流通量は少なく、活け物の主な産地は和歌山県や浜名湖のある静岡県、九州の熊本県や大分県などです。冷凍の輸入ものが多く、イリアンターガーやフラワーなど産地の商標で流通しています。

エビの種類

① 甘エビ
刺身や寿司、塩辛など和食で見られることが多いエビ。正式名はホッコクアカエビだが、口の中に入れると身がとろけて甘いことから、甘エビと呼ばれることが多い。北方の日本海や太平洋沖、オホーツク海など日本近海でも多く生息している。

② ブラックタイガー
エビフライや天ぷらなど多くの料理で使用されるエビ。ウシエビとも呼ばれる。日本に流通しているもののほとんどが、インドネシアやベトナムなど東南アジア産のもの。流通量が多いので、スーパーなどで安価で手に入る。

③ クルマエビ
殻に黒い縞模様が入っているのが特徴のエビ。殻を丸めると、縞模様が車輪のように見えることが名前の由来になっている。日本近海だけでなくオーストラリアや南アフリカ、地中海沿岸など世界中に生息している。また、熊本県や山口県では、クルマエビの養殖が盛んに行われている。

④ 桜エビ
薄いピンク色をしている4cm程度のエビ。日本で水揚げされるのは駿河湾のみである。かき揚げや干物にして食べられることが多い。

栄養と効果

① ビタミンE
活性酸素の働きを抑える抗酸化作用をもつと言われているビタミンEも、多く含まれている。特に多く含まれているのが伊勢エビや甘エビだ。伊勢エビには100gあたり約3.8mg、甘エビには約3.4mg含まれている。1日の摂取目安量は8mgであるのでこれらを食べれば、1日の摂取目安量分をほぼ補うことができる。ビタミンEは老化や動脈硬化を引き起こす原因と言われてる過酸化脂質の抑制にも有効と言われている。

② たんぱく質
エビには筋肉や内臓器官を維持するのに必要とされているたんぱく質が多く含まれている。茹でたものだと100gあたり約21.4g、干したものだと100gあたり約48.6g含まれているのだ。茹でたものは、たんぱく質が多いと言われている肉や他の魚と同程度だが、干したものは、これらの約2倍も含まれる。また、肉には脂質が多く含まれているが、エビは脂質が少ないのでたんぱく質を摂取しやすい食品である。たんぱく質が不足すると、成長障害、体力や免疫力の低下などが起こることから、食事摂取量が減ってくる高齢者などでは、注意が必要です。

③ カルシウム
エビはカルシウムも豊富である。殻や尻尾に多く含まれているので、これらが食べやすい干しエビがおすすめ。中でも、特にカルシウムが多いのが桜エビである。桜エビには、カルシウムが100gあたり約2000mg含まれている。これは、カルシウムが多いと言われている煮干しとほぼ同じ量だ。カルシウムは、1日600mg摂取することが目標とされているので、サクラエビを食べればすぐに目安の量を摂取することができる。カルシウムを摂取すると骨粗しょう症や血液の凝固を促して出血を予防する働きもする。

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