寝る姿勢としては、少数派のうつ伏せ

昔から、仰向けの姿勢が寝姿がきれいで行儀がよいとされていたのに対し、お尻を上に向けて寝るうつぶせの姿勢は行儀が悪いと見られていたそうです。このため、寝る姿勢と下は圧倒的に仰向けの姿勢の方が多いようです。

ちなみに、医療的な観点でも患者が病院へ搬送される際、仰向けの姿勢が十分に呼吸を確保するのに適していると考えられたため、日常的な睡眠においても、仰向けが身体にやさしいというイメージにつながったようです。

睡眠時に身体に負担の少ない姿勢は仰向けの姿勢で、うつ伏せの姿勢は苦しそうなイメージがあると思いますが、実は身体に負担が少ないも言われています。なぜなら、人間の起源でもある原始の人類の基本姿勢が四つんばいに最も近い、うつ伏せになるからなんだそうです。

うつ伏せの姿勢で寝ると呼吸が楽?

うつ伏せの姿勢をとると、胸が圧迫されることにより、苦しそうなイメージはありますが、自然と横隔膜が下がり、下腹がふくらみやすくなるため、腹式呼吸がしやすくなります。人間は眠っている時は腹式呼吸をしているため、うつ伏せの姿勢で寝ると自然な呼吸ができ、自律神経が整うそうです。

また、うつ伏せで寝ると、仰向けで寝ている時に起こりやすい舌根沈下を防げます。しかも、空気の通り道である気道が確保され、呼吸しやすい状態になり、熟睡しやすくなるんだそうです。気道が確保されることによって、いびきや睡眠時無呼吸症候群も防げます。

呼吸がしやすくなると、酸素の吸収と二酸化炭素の排出がスムーズに行われるようになります。すると、血液中の酸素濃度の低下を抑えられ、血中の酸素量が不足して起こる疲労回復の遅れや老化の防止になります。

血行不良の予防や、肩こりや腰痛が和らぐ効果も!

うつ伏せの姿勢で寝て呼吸がスムーズに行われれば、血液中に十分な酸素が行きわたり、血行不良になりにくくなります。同時に、血行不良が原因で起こる心筋梗塞などの病気の予防にもつながります。

また、筋肉がゆるみ、身体の痛みにつながる筋肉の緊張状態がほぐれるため、肩こりや腰痛が和らぐメリットもあるそうです。

うつ伏せの姿勢で寝るデメリット

夜遅くまで仕事をしていたり、眠る直前までパソコンやスマートフォンを見たりすることで、目覚めをつかさどる交感神経が優位な状態の場合、うつ伏せで寝ると、眠っている時も腹式呼吸に切り替わらず、起きている時と同じ胸式呼吸を続けてしまうため、胸が圧迫され息苦しくなり、眠りに支障をきたす可能性があります。

うつ伏せで寝ているときに枕などで口や鼻がおおわれると、呼吸がしづらくなり、酸素不足の原因となり、最悪、窒息の可能性もないとは言えません。

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