湯治(とうじ)とは?

温泉地に長期間滞留して特定の疾病の温泉療養を行う行為ことです。
日本においては古くから行われおり、衛生に関する知識や医療の技術が十分に発達していなかった時代に、その伝聞されていた効能に期待して、温泉に入浴したり飲泉するなど、多くの人が温泉療法によって病気からの回復を試みるていました。


そして湯治を目的に長期滞留する温泉地のことを湯治場と言います。
湯治場は、長期間暮らすので、多くの場合は、自炊が基本なのが特徴です。
これは、長期滞留客の金銭的負担軽減という理由もありますが、湯治客の症状によっては、日々の食事内容に制限があるため、個々が自分にあった食事を行う必要があること、同じ宿に連泊することでどうしても起こる、食の偏りを防ぐという理由もあります。また普段と同じ食事をすることで心身を落ち着かせる効果もあります。
宿泊者のための共同炊事施設が整っており、源泉温度が高い場合は蒸気熱で調理する地獄釜が利用出来たり、鍋釜や食器のレンタルや食材の販売などを行っている湯治場もあります。
湯治場によっては、自炊部売店が商店並みに充実していたり、温泉街で地の物を売る朝市が行われており、生鮮食品を補充できる場合もあります。

このように湯治場は治療のために長期暮らす方に向けてはいますが、日帰りで湯治場の湯に入ることも可能です。

大体の湯治場は山間部の僻地にあり、華やかな観光温泉地と違い、とても秘湯感漂う萎びた風情のある温泉地ばかりです。

一風変わった通な温泉巡りに湯治場へ行くのも醍醐味です。

筆者が行ったオススメ湯治場2選

玉川温泉(秋田)

玉川温泉の最大の特徴は、なんといっても強酸性(pH1.2)の温泉水!
毎分9,000リットル湧出する。単一の湧出口からの湧出量としては日本一を誇ります。
この濃さが万病に効くと、全国のガン患者が集まります。

高濃度の強酸性がゆえに、入ると体がとてもピリピリするので、肌が弱い方は注意が必要です。

また岩から吹き出す蒸気の迫力は圧巻!
まさに見るだけでも訪れる価値のある湯治場です。

岩場も温泉熱でとても暖かいので、岩盤浴もできます。

【効能】高血圧症、動脈硬化症、婦人病、神経痛、皮膚病、喘息など。

酸ヶ湯温泉(青森)

冬になると背丈の2倍以上の雪が積もる豪雪地帯に酸ヶ湯温泉は酸性硫黄泉で硫黄の香りがとにかく強いです。
1日入って、その後服を来ていれば、その服に硫黄の香りが1週間ほど消えずにいる程です。
総ヒバ造りの体育館のような巨大な建物で、大きな浴槽2つがあるのが特徴です。その大きな浴槽は「千人風呂」と呼ばれ、酸ヶ湯温泉の名物となっております。

そしてもうひとつの特徴は、今や数少なくなっている混浴であるという事です。
日常とかけ離れた、刺激ある体験もできるのもまた醍醐味です。

【効能】神経痛、リューマチ、皮膚病、婦人病、胃病、痔疾

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