油はカラダにとって必須の成分!

油は身体に悪いと、健康のためにノンオイルという方も多いかと思いますが、もちろん身体にいいオイルはあるんです。人間のカラダの約15%は脂質でできていて、細胞の骨格を作る細胞壁、特に脳・神経組織、ホルモンの原材料など、エネルギー源としてだけでなく脂質は重要な役割をしています。また、骨粗しょう症やがん、糖尿病などの予防や改善にも必要なビタミンDの原材料にもなりますし、ビタミンA、E、D、Kなど脂溶性のビタミンの吸収を助ける働きもありますので、油分は食事に必須。健康のためにも、美容のためにも油を摂ることはとても大切です。

オイルの種類「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」とは

オイルには多数の種類があります。油脂は、脂肪酸とグリセリンからできていて、この脂肪酸がカラダの細胞を作るのに不可欠な原材料になります。1種類の油には複数の脂肪酸が含まれていて、この脂肪酸の種類やバランスが油脂の質の違いになります。大まかには常温で固形になる「飽和脂肪酸」と液体になる「不飽和脂肪酸」の2種類に分かれます。

「飽和脂肪酸」は肉類や乳製品、ココナッツオイルに多く含まれます。体内でも合成されますので、たくさん摂る必要はありません。ただし、ココナッツオイルに多く含まれる中鎖脂肪酸は体の中でケトン体に変換され、エネルギーとして燃焼しやすく、ダイエット効果に注目が集まっています。

一方、「不飽和脂肪酸」は植物性や魚の油ですが、種類によって性質が違います。n-3系(オメガ3、αリノレン酸)、n-6(オメガ6、リノール酸)は、カラダを作るのに絶対必要な必須脂肪酸です。必須ではあるのですが、n-6系脂肪酸は過剰になると体に様々な弊害を起こすので摂り過ぎに注意が必要です。ただ、現代人はほとんどが摂り過ぎであるために多くの不調や症状が起きていると言われています。n-9系(オメガ9、オレイン酸)脂肪酸は必須脂肪酸ではありませんが、悪玉コレステロールを低下させ、細胞を酸化させにくくする働きがあります。

必須脂肪酸「n-3系」と「n-6系」

「n-6系」脂肪酸が多い油は、サラダ油、コーン油、ベニバナ油、ひまわり油、大豆油、ゴマ油、加工油脂など。外食、ファストフード、加工食品をよく摂る人は要注意です。n-6系脂肪酸は必須脂肪酸ですが、カラダを酸化させやすい油です。細胞の壁に取り込まれると、アラキドン酸という炎症物質を作り、細胞や脳の老化を起こします。また、炎症の影響でアトピーや花粉症、動脈硬化、認知症、炎症などの弊害を起こすとされています。

一方、「n-3系」脂肪酸が豊富な油は、亜麻仁油、インカインチオイル、エゴマ油、麻の実の油などです。n-3系は、炎症を抑制し、アレルギーや血栓を抑制し、記憶力を向上させるなど嬉しい働きが期待できます。カラダの中に入ると、血液をサラサラにするEPAやDHAに変化します。EPAやDHAは魚の油にも含まれます。n-3系もn-6系脂肪酸も加熱によって酸化します。加熱調理には本来不向きなので、特にn-3系はドレッシングやジュースに混ぜて摂るとよいでしょう。

「n-6」:「n-3」=4:1で摂るのが理想のバランスと言われています。この脂肪酸バランスに注目して、質のいい油を摂りましょう。

他に、熱に強い油が、「n-9系」(オメガ9、オレイン酸)脂肪酸があります。必須脂肪酸ではありませんが、悪玉コレステロールを低下させ、細胞を酸化させにくくする働きがあります。オリーブオイルやキャノーラ油、国産菜種油がn-9系の多い油。オリーブオイルは、エクストラバージオリーブオイルがおすすめです。コールドプレス製法のものであれば、クロロフィルなどのフィトケミカルも生きていますし、香りも風味も豊かです。国産菜種油は、キャノロールというビタミンCの何十倍も抗酸化作用が豊富なフィトケミカルを含んでいます。特に、国産・焙煎製法で作られたものには豊富です。

絶対に避けたい油「トランス脂肪酸」

逆に、絶対に避けたい油がトランス脂肪酸です。アメリカでは2018年までに全廃することが決定していますが、日本では規制がゆるく、表示義務もありません。企業努力により減少傾向ではあるものの、一般的にはクッキーやドーナッツなどの加工菓子、菓子パンの原材料のショートニングや加工油脂、マーガリンに多く含まれています。この油は「悪魔のオイル」とも呼ばれ、細胞や遺伝子を傷つけ、老化を進めるといわれています。よい油と悪い油の見極め方を身につけて、美容の強い味方にしましょう。

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