鰹の力
刺し身やタタキ・カルパッチョなど生もしくは生に近い状態で食べられることの多い鰹。「初鰹」と「戻り鰹」があり、旬を味わえる魚としても知られていますね。
ストレス対策
かつおにはパントテン酸という栄養が豊富に含まれています。
パントテン酸はとくに、かつおの血合い部分に多く含まれています。(血合いとは、背と腹の間にある赤黒い身の部分を指します。)
パントテン酸は、ストレスを感じると抗ストレス作用のある、副腎皮質ホルモンを作ります。副腎皮質ホルモンは、副腎で分泌されるホルモンで、ストレス対策に効果があります。
パントテン酸は熱に弱い性質をもっています。かつおから効果的にパントテン酸を摂取するには、刺身やたたきなどなるべく火が通らない食べ方で食べると良いそうです。
疲労回復
鶏胸肉やマグロ・カツオなどの回遊魚の赤身部分にはイミダゾールジペプチド(イミダペプチド)という疲労回復部物質が含まれています。イミダゾールジペプチドはアミノ酸のヒスチジンとアラニンが結合したもので、活性酸素を抑える働きがあります。肉体・精神(脳)共に負荷がかかことで活性酸素が発生し疲労を感じると考えられていますし、活性酸素発生を抑えることで疲れにくくなることも報告されていますから、イミダゾールジペプチドは慢性疲労症候群の予防・改善、疲労回復に有効とされています。
春鰹(初鰹)も秋鰹(戻り鰹)も全体に占めるタンパク質量が約25%と豊富ですし、カツオもアミノ酸スコアが100(最高値)とされていますから優れたタンパク質補給源と言えます。タンパク質はエネルギーとして活用されるほか筋肉など様々な細胞の構成にも欠かせない存在ですし、代謝に関わるビタミンB群、特にタンパク質の代謝・合成に必要とされるビタミンB6がカツオには豊富に含まれています。タンパク質を適切に補充することから筋肉アップや免疫力向上効果が期待できます。
貧血予防
かつおには、魚類ではトップクラスのビタミンB12と鉄分の栄養が含まれています。
ビタミンB12は、赤血球の生成を助ける働きがあり、神経機能を正常に保つ効能があります。鉄分は、60~70%が血液に存在し、酸素を全身に運ぶはたらきがあります。
また、ビタミンB12と鉄分は、ともに貧血を予防する効果があります。貧血でお悩みの方はかつおなどから、鉄分、ビタミンB12を摂取すると良いそうですよ。
ちなみに、鉄分はビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が高まるという報告があります。菜の花やブロッコリーなどの野菜にビタミンCは豊富に含まれています。
初鰹と戻り鰹の違いは
かつおの旬は、4~5月の「初鰹」と9~10月の「戻り鰹」の年2回あります。
初鰹は、赤身が多めでさっぱりとした味わいがあり、タタキなどでよく食べられます。一方、夏場にたっぷりとエサを食べた戻り鰹は、脂がのった濃厚な味わいが特徴で、刺身としても美味です。
鰹は季節によって味が異なりますが、栄養も多少、異なります。
初鰹は、赤身が多いためカロリーが低く、タンパク質やカルシウムが多いのが特徴的です。タンパク質は筋肉を形成したり、カルシウムは骨や歯の健康を維持する効果があります。
一方、戻り鰹は、脂身が多いためカロリーが高めで、不飽和脂肪酸を多く含んでいます。不飽和脂肪酸は、動脈硬化や高血圧などの予防、アレルギー症状の緩和などに効果があります。
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