チャイの歴史と紅茶との違い

チャイが一般的に飲まれるようになった19世紀ごろといわれています。その当時、イギリスの植民地であったインドでは、宗主国であるイギリスに出荷するための茶葉を作っていました。
良質な茶葉はイギリスへと持ち出され、国内にあるのは商品として出せなかった細かいクズ葉。そんなクズ葉(ダストティー)をおいしく飲むために考えられたのが「チャイ」なんです。
商品にならないクズ葉は、苦味が強いためにそのままで飲むことはとてもできませんでした。そこでミルクを入れ、お砂糖を加えて甘みを引き出し、香辛料を加えて旨みを引き出す方法が同時に考えられたのです。

紅茶との違いはというと前述したように、まず「茶葉」。そして作り方も違います。
紅茶の場合は、茶葉を発酵させてそのまま使用しますが、チャイの場合は粉末状の細かな茶葉を使います。
そして、作り方も全く違います。
ミルクティーの作り方で例えると、紅茶の場合は、沸騰したお湯で茶葉を数分蒸らした後、カップに注いでミルクと砂糖を加えて作ります。
チャイは直接お茶の葉を沸騰させて作るのが特徴です。茶葉を水から煮て、沸騰したところで砂糖とミルクを加えて再沸騰させ、茶漉しを通して器に注ぎます。
チャイが一般的な紅茶より濃く感じるのは、この製法によるものです。

チャイの効能について

チャイに使われるスパイスは、これといった決まりはありません。お店によって使うスパイスであったり、量が違っていたりします。
今回は、よく使われるスパイスの効能について説明します。
チャイでよく使われるスパイスは主に「シナモン」「カルダモン」「クローブ」「ジンジャー」の4つです。

まずシナモンは、世界で最も古いスパイスとも言われています。豊富なミネラル成分とビタミン郡が含まれており、血行改善、発汗、消化促進、抗菌効果が期待できます。また、毛細血管の保護にも有効とされていて、気になるシミやシワ、たるみなどの美容面にも嬉しい効果もあります。
カルダモンは「香りの王様」や「スパイスの女王」と呼ばれることもあるショウガ科のスパイスのことです。コレステロールや血流をコントロールし、血行促進や発汗作用、胃腸を守る効果も期待できると言われています。また気持ちをリラックスさせ、落ち着かせる効果も期待できます。
グローブは、消化を促進して胃腸を整えて身体を温めてくれる効果が期待できます。その他にも、鎮痛効果と抗菌効果もあるとされていて、アーユルヴェーダや漢方など医学的にも活躍してくれるスパイスです。
そしてジンジャーは、加熱することで出る成分が、冷えによって滞りがちになった血液の流れを促し、体のすみずみにまで血液を行き渡らせ、ポカポカと温めてくれると言われています。

意外と簡単!チャイの作り方!

実は、チャイの基本的な作り方は案外簡単なんです。

まずは、鍋ややかんに少量の水を入れ、スパイスと茶葉を煮出します。沸騰して少し経ってからミルクと砂糖を加えて更に煮出します。
キャラメル色になり、茶葉が上下に動いてきたら火を止めて蓋をして1分待ち、茶こしでこして出来上がりです。

おいしく入れるポイントとして
①スパイスは、湯をわかすときに入れておくこと。
②茶葉は水から煮て、数分沸騰を続けたところでミルクと砂糖を加えること
③再沸騰したら火を止めて、1分ほど蒸らしてから器に注ぐこと
④クローブやカルダモンなどの大きなスパイスは、すり鉢でつぶしてから入れること。
⑤ジンジャーは軽くすりおろしたものを入れること。

上のポイントを押さえれば、おうちでもカフェで飲むような美味しいチャイができますよ。
寒くなってきて、冷えなどが気になってくるこれからの時期はもってこいの飲み物です。スパイスや量をいろいろ試して、自分好みのチャイを作ってみてくださいね。

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