「中国四大料理」とは

「中国料理」は、中国の自然豊かな広大な土地から生まれ、4000年にもおよぶ長い歴史をもつ料理のジャンルです。同じ中国料理といっても、地域によって、料理の特徴は大きく変わります。気候や風土の違いから、それぞれの地域によって固有の食文化が発達し、そのため、地元住民に好まれる料理のレシピや作り方が、地域によってまったく違います。

このため、様々な中国料理が存在しますが、日本では、北方系の北京料理、東系の上海料理、南方系の広東料理、西方系の四川料理の4つに分類され、「中国四大料理」とされています。中国全土を東西南北に分け、それぞれの特徴が色濃くでている代表的な料理が、4大流派となっています。

寒さに負けない工夫がされた料理

中国の中でも寒い地域では、寒さに負けない工夫がされた料理が伝統的に食べられてきました。唐辛子を使って身体を温めたり、肉料理で脂肪を身体にため込むようにしたり、地域ごとの寒さへの対処療法的な食養生が見てとれます。

北方系の「北京料理」

中国北部にある北京を中心としたエリアは、冬の厳しい寒さが特徴で、寒さに打ち勝つ体力を養うために、ガッツリ系の肉料理が多くあります。なかでも北京ダックが有名で、こんがり焼いたあひるの皮をこってり甘い味噌と一緒に食べる料理です。

他に、青椒肉絲、肉まん、羊肉を使った料理など、良質なタンパク質を摂れる料理が豊富にあります。

西方系の四川料理

冬の寒さと夏の暑さ、湿度が特徴的な盆地に位置する四川地方では、特に高い湿度は身体を疲れさせ、食欲を奪うほどなんだそうです。冬は身体を温め、夏は食欲を促進させる料理が特徴的です。

辛くてしびれるような麻婆豆腐はここで生まれました。唐辛子の辛さと山椒のしびれるような味で食欲を増進させると同時に、発汗作用で体温を調節してくれます。他に、エビのチリソース、担担麺、棒棒鶏など、豆板醤や甜麺醤といった味の濃い調味料を使った料理が多いのも特徴です。

豊富な食材に育まれた料理

中国大陸の南東に位置する地域では、山海の珍味に恵まれるため食材も豊富。それらの素材の味を生かす薄い味つけが多いのも納得です。多くの料理を少しずつ楽しめる飲茶スタイルの食事も、この地方の料理になります。

東方系の「上海料理」

土地柄、海に面しているので、海産物を使った料理が多いのが特徴です。比較的さっぱりとした味付けで、しょうゆの産地でもあるため、あんかけ料理も代表的なものです。海鮮のたっぷり入ったあんをおこげにかけていただく料理は、上海に近い無錫市の伝統料理です。

他にも、中国酒をかけて蒸しただけの上海ガニ、しょうゆ味の豚の角煮などがあります。

南方系の「広東料理」

温暖な地域なので、野菜やフルーツも豊富です。パイナップル入りの酢豚や、あんかけカニ玉など、甘酸っぱい味が多いのも特徴的です。フカヒレやアワビ、ツバメの巣のような高級食材を使った料理も広東名物です。オイスターソースやアワビソースなど、リッチな調味料も使われます。

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