実は同じもの?「大葉」と「紫蘇」の違い
見た目そっくりな「大葉」と「紫蘇」って、違うもの?同じもの?それぞれ、どんな特徴があるのでしょうか?
「大葉」とは
「大葉」は、一般的には青紫蘇を葉の形状のまま香味野菜として使用する場合のみに使われている呼称です。食用の香味野菜として販売されるときは「大葉」と呼ばれるのであって、植物として青紫蘇の葉を指すときは呼びません。
また、青紫蘇のように葉が緑色の紫蘇には、縮れのあるチリメンアオジソや、葉の表面が緑色で裏面が赤色のカタメンジソなどもあります。「大葉」として販売されるのは、縮れもなく両面緑色の青紫蘇の葉になります。
「紫蘇」とは
一方、「紫蘇」とは、シソ科シソ属の植物の総称のことをいいます。なかでも食用とされる「赤紫蘇」と「青紫蘇」のことを指すのが一般的です。
青紫蘇は若葉を香味野菜として、刺身のつまや天ぷらにしたり、刻んで薬味として用いられ、香りを楽しみながら料理がいただけます。
「大葉」と「紫蘇」は同じもの!
実は「大葉」と「紫蘇」は同じものになります。ではなぜ別名があるのかと言うと、昔、青紫蘇を販売する際に紫蘇の“芽”と“葉”の区別が必要となり、当時、葉に「大葉」という商品名がつけられたことで、現在もその名前で呼ばれているそうです。
青紫蘇が、世の中に流通し始めたのは1961年ごろで、静岡県で青紫蘇の葉を束ねて大阪の市場に出荷したのが始まりと言われています。このとき、販売するために考えられた商品名が、「大葉」だったとそうです。その後、豊橋でも大葉という名前で出荷を開始し、売れ行きが良かったことから、東京市場にも出荷されるようになりました。こうして青紫蘇は「大葉」という名前で、世の中に浸透したそうです。
「青紫蘇」と「赤紫蘇」の違い
紫蘇には青紫蘇のほかに赤紫蘇という種類もあります。「青紫蘇」は、葉・茎ともに緑色の紫蘇で葉と実は香りがよく、食用に使われます。一方、「赤紫蘇」とは、茎も葉も赤紫色をした紫蘇で、梅干の色づけ等に使われます。
青紫蘇は主な産地では温室栽培がおこなわれ、通年安定して出荷されているので、いつでも新鮮なものがスーパーでも手に入ります。旬が分かりにくい野菜のひとつと言えます。青紫蘇が通年市場に出回るのに対し、赤紫蘇は初夏が旬となります。収穫自体は夏の間中おこなえるのですが、赤紫蘇の需要は梅干しを漬けこむ時期に限られてしまうでしょう。市場に出回るのは6月~7月中旬頃までとなります。
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