うちわの特徴

うちわ(団扇)とは、紙や布を貼った楕円形の扇に竹やプラスチックなどの持ち手がついた道具。あおぐ事で風が起こり、暑いときに涼むために使われます。

一般的な大きさは30~40センチ程度で、夏のシーズンには企業名が入ったものがよく配布されていますね。

そんなうちわの歴史は古く、紀元前の古代中国の時代には存在していましたが、日本には飛鳥時代に伝わりました。

当初は翳(さしば)と呼ばれ、大型の鳥の羽を重ねたものや芭蕉(ばしょう)の葉を使ったものがメイン。使用目的も風を起こすというよりは、悪いものを払う儀式用でした。

その後、室町時代になると実用的な作りとなり、竹と紙を使った現在に近い形に。江戸時代には一般庶民にも広まり、風を起こしたり虫を払うのに使われるようになりました。

明治時代になるとうちわの柄が外国人から評価を受け、外国に輸出されるように。現在でも夏を彩るアイテムとして、大活躍しています。

扇子の特徴

扇子(せんす)は、重なるようにたためる竹やプラスチックに布や紙を貼り付けた道具。完全に広げたときに120度程度の半円形となり、この形が「扇形(おおぎがた)」と呼ばれています。

広げた時の大きさは様々ですが、折りたたんだ時の大きさは箸入れぐらいの大きさに。そのため携帯性に優れ、カバンに入れて持ち歩くことも可能なんですね。


●扇子は日本生まれ

扇子は扇(おおぎ)とも呼ばれますが、もともと扇はうちわを指す言葉でした。

扇の原型となったのは、木の板を重ねて一か所を紐でくくった檜扇(ひおうぎ)というもの。当初は木簡(メモ帳)として使われましたが、やがてあおぐ目的にも使われるようになりました。

更に平安時代には、木で出来た細い骨の間に紙を貼った扇も登場。風をおこす道具としても使われましたが、和歌を書いて贈り合ったり顔を隠すために使われました。

その後、小型化したことで、「扇」の後ろに「子」が付き、「扇子」と呼ばれるようになったんですよ。

●古典芸能の小道具として

落語で箸などに見立てたり、能・狂言・日本舞踊で演者が手に持つことがあります。

●遊び道具として

的に向かって広げた扇子を投げて競う、投扇興(とうせんきょう)という遊びがあります。かつて「源平合戦」では、那須与一が相手の船に掲げられた扇を弓矢で落としたと言う逸話もありますよね。

●他にも・・・

その他にも、口元を隠したり、応援のための道具としても、扇子は様々な用途に使われています。

うちわと扇子の違い

●うちわ

・飛鳥時代に中国から伝わったもので、今よりも大きく儀式用の道具だった。
・室町時代に現在のような大きさとなり、骨に紙を貼り付けて持ち手を加えた形になった。
・風を生み出す以外にも虫を払う役目もあり、「うちはらう」から「うちわ」となった。

●扇子

・扇とも呼ばれ、うちわと違って折りたたむ事ができる。
・奈良時代の日本で考案されたが、当初はあおぐ目的よりも顔を隠したり贈り物として使われた。
・現在でもあおぐ以外にも、伝統芸能の小道具として使われている。

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