骨も毎日生まれ変わっている!

髪、爪、皮膚と同様、骨も新陳代謝を繰り返し、常に生まれ変わっています。
血液中には、古い骨を溶かして壊す細胞『破骨細胞』と、溶けた部分に新しい骨を形成する『骨芽細胞』があり、この二つの細胞が働くことで、骨は少しづつ生まれ変わり、健康な骨を維持しています。この際に骨を形成する材料となるのが『カルシウム』です。

カルシウムが不足すると、破骨細胞が溶かした分に対して、骨芽細胞による骨の形成が追い付かなくなり、骨がスカスカの状態になってしまいます。これは『骨粗しょう症』と呼ばれる状態で、骨が弱くなり骨折しやすくなります。特に女性は注意が必要で、骨粗しょう症の80%以上は女性で占められています。これは、男性に比べて女性は骨格が小さく、その分蓄えられる骨量が少ないためです。

骨を強くするために、カルシウムをしっかり摂ろう!

上記でご紹介した通り、『カルシウム』が骨を作る材料で最も重要な栄養素となりますが、カルシウムは日本人に不足しがちな栄養素の一つとされています。
日本人に推奨されるカルシウムの一日当たりの摂取量は男性で650~800㎎、女性で600~650㎎と言われていますが、十分な量を摂取出来ている方は多くはありません。健康や食生活への関心が高まる一方で、日本人のカルシウム不足は20年以上変わっていないそうです。

骨の形成は毎日の食事から。健康な骨を維持するために必要なカルシウム量は最低でも600㎎。これに対し、骨粗しょう症の予防に必要なカルシウムは1日に700~800㎎と言われています。

カルシウムを多く含む食品として牛乳や乳製品、骨ごと食べることができる小魚、殻を食べることが出来るエビ、海藻類、緑黄色野菜、大豆製品などがあげられます。
これらの食品を毎日の食事に積極的に取り入れましょう。中でも牛乳は吸収率が高いので、三度の食事に加え、毎日コップ一杯の牛乳(カルシウム220㎎)を飲むこともオススメします。

カルシウム以外に重要な栄養素

丈夫な骨を作るためには、カルシウムだけでなく、たんぱく質、ビタミンDやビタミンKも必要になります。

『たんぱく質』もまた骨の材料となります。アミノ酸バランスのいい肉や魚、牛乳、大豆などで良質なたんぱく質を摂取しましょう。
『ビタミンD』は腸がカルシウムを吸収する働きを高めます。ビタミンDは日光を浴びることにより皮膚でも作られますが、食事からも摂取して不足しないようにしましょう。鮭などの魚、きのこ類に多く含まれています。
『ビタミンK』は骨の形成や骨質の維持に必要な栄養素です。納豆や青菜に多く含まれています。そのほかにマグネシウムやビタミンB類、葉酸なども大切な栄養素です。

加工食品、カフェイン、塩分は控えめに!適度な運動も大事!

ここで注意したいのが、カルシウムの吸収を妨げるものもあることです。加工食品などに使われている食品添加物の中にはリン(リン酸塩)が多く含まれているものがあり、過剰な摂取でカルシウムの吸収を妨げてしまいます。
食塩やカフェインの取り過ぎもまた、カルシウムを尿として排出してしまいます。
健康な骨のためには加工食品やコーヒーなどの取り過ぎに注意し、減塩を心掛けるとよいでしょう。

逆に、カルシウムの過剰摂取は泌尿器系結石を引き起こしたり、マグネシウムや鉄・亜鉛等のミネラル類の吸収を妨げます。カルシウムを摂取するだけでなく、適度に運動して骨に負担をかけることも大事になってきます。
天気のいい日は散歩に出掛けるだけでも十分効果があります。日光に当たればカルシウムの吸収を良くするビタミンDが作られるので一石二鳥です。

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