「筋肉痛」とは

「筋肉痛」とは、運動後数時間から数日後に生じる筋肉の痛みのこと。運動直後ではなく、一定の時間が経過してから症状が生じるため、「遅発性筋肉痛」とも呼ばれています。一方、運動中から運動直後に生じる筋肉の痛みは「急性筋肉痛」と呼びますが、一般的には筋肉痛と言えば遅発性筋肉痛のことを指すそうです。

筋肉痛は年齢を問わず誰にでも起こりうる症状ですが、通常は一週間以内に自然とよくなることがほとんどです。しかし、それ以上に痛みが続く場合には線維筋痛症やリウマチ性多発筋痛症など筋肉に炎症を引き起こす病気の可能性もありますので注意が必要のようです。

筋肉痛を和らげる方法

アイシングで和らげる

アイシングは、氷嚢などに氷と少量の水を入れ、患部に直接当てて炎症を抑える方法で、主にスポーツ現場のひどい炎症を早く治すための応急処置やケアの方法として用いられています。

準備するものは、氷嚢(強度の強いビニール袋でも可)、一定量の氷、少量の水、バンテージ、です。

やり方としては、氷嚢などに氷と少量の水を入れ、患部に直に当てます。体温によって氷は溶けていきますので凍傷の心配はありません。15分程度感覚が無くなるまで冷やし、15分程度放置します。その後再度15分冷やす、というサイクルを繰り返すのが一般的な方法です。

手を離しても良いように、伸縮性のバンテージで氷嚢を押さえると良いでしょう。保冷剤は凍傷の恐れがあるので、効くどころか別の悪影響を及ぼすこともあるので、使用しないようにしましょう。

バランスのいい栄養補給

筋肉痛症状から早く回復を促すため、バランスの取れた食事でしっかり栄養をとりましょう。筋肉痛の回復や体調不良など、体内に栄養が無いことには人体の再生は行われません。

とはいえ、筋肉の素となるタンパク質ばかり摂取することが早く治る方法というわけでもありません。栄養の効率的な吸収や体調の維持のために、糖質、各種ビタミン、ミネラル、カルシウム等、すべての栄養素を満遍なくバランスよく摂取することが体に効く方法として大切です。

栄養摂取は、症状の悪化を防ぎ、早く治す方法として最も基本的な形と言えます。

十分な睡眠

摂取した栄養をもとに、実際に体を回復させるのは主に睡眠時といわれています。特に22時~深夜2時の間が回復のゴールデンタイムと言われ、この時間帯にしっかりと睡眠をとることが、筋肉痛症状が早く治る睡眠といえます。

筋肉痛に限らずですが、なにかしら体調が悪化した場合には、無理をせずに十分な栄養をして早く寝ることが、早く治る第一条件と言えます。

ただ、自分に合っていない寝具の場合は治るどころか症状を悪化させる可能性もありますので、悪化を防ぎ、睡眠効果をしっかり効くようにするためにも、自分に合った寝具を選びましょう。

カフェイン摂取

毎日習慣的に飲むコーヒーが効くということでもなく、エクササイズ前に飲むと良いそうです。具体的には、カフェインをエクササイズ前に体重1㎏あたり5mgのカフェインを摂取することによって、ひどい筋肉痛症状を抑制できる可能性があるそうです。

BCAAの摂取

BCAAを運動前後に摂取することで筋肉痛症状が和らげることが出来るそうです。BCAAは、バリン、ロイシン、イソロイシンの3つの必須アミノ酸(体内で作ることのできないアミノ酸)の総称のことです。必須アミノ酸は、運動時に筋肉のエネルギー源となってサポートしてくれる栄養素です。

運動時のエネルギーとなる糖質や脂質が無くなると、筋肉の素となるBCAAを分解してエネルギーとしてしまいますが、運動前後にこのBCAAを摂取することで、筋肉の分解を予防することができます。筋肉痛症状が発生するような運動の際にも、同様の理由で損傷を最小限に抑えることができ、症状を和らげることや、悪化を防ぐことに繋がるそうです。

冷たい水に浸かる

冷水に体を浸したり、水風呂に浸かりましょう。エクササイズ終了後、10分間の休憩を取った後、その後3分間行うと、筋肉痛を和らげられるそうです。症状に十分に効くには3分以上の時間が必要とのことなので、冷たいからといって早く切り上げてしまうと意味がないそうです。

有酸素運動で和らげる

有酸素運動は、大気中にある酸素をエネルギーに変換して行う運動のことであり、ジョギングやウォーキング、一般レベルの水泳などの比較的強度の低い運動方法は有酸素運動にあたります。この有酸素運動もまた、筋肉痛を和らげることに効くと言われています。

エクササイズ前に10分~20分程度有酸素運動を行うことで、筋中に酸素を十分に行き渡らせることに繋がり、筋肉痛を和らげられること出来るそうです。

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