肺活量とは

肺活量とは、安静時の呼吸状態で空気を胸いっぱいに吸い込み、それをすべて吐き出したときに肺の中を出入りする空気の量です。つまり、肺の機能を測る指標といえます。肺活量は英名がVital Capacityと呼ばれるほど、私たちの身体にとって必要不可欠な能力でもあります。

肺活量の基準の目安は、健康的な成人の男性で3,000〜4,000ml、成人の女性で2,000〜3,000ml程度であるといわれています。しかし、年齢、性別、身長などによって基準値は異なります。また、国際的な大会で活躍するトップアスリートや水泳選手の場合、肺活量は6,000〜10,000ml以上にも達するといわれています。

肺活量は増やせる?

肺活量が低いとスポーツや登山などのアクティビティをしていても息切れを起こしてしまったり、カラオケや吹奏楽器を演奏する際にすぐに疲れてしまったりします。しかし、継続的にトレーニングを行うことで肺活量は増やせるといわれています。

人間が呼吸をする際、息を吸うときには横隔膜が下がって肺がふくらみ空気が入ります。息を吐くときは筋肉をゆるめるだけで自然と空気が外に出ていくため、いずれの筋肉もはたらいていませんが、意識して息を吐く場合には腹横筋や内肋間筋などが活躍します。このようなメカニズムから、呼吸をするときに作用する筋肉である「呼吸筋」を鍛えれば、呼吸機能の向上に効果があり、肺活量も増大することが期待できます。

また、運動習慣がない人に比べて、運動習慣がある人は肺活量が多い傾向にあります。これは、運動によって呼吸筋が鍛えられて呼吸機能が向上し、肺活量も増大している可能性がるためです。

肺活量を増やすメリット

疲れにくくなる

体力、つまり身体の持久力をアップさせるためには「最大酸素摂取量」をアップさせる必要があるとされています。最大酸素摂取量とは、単位時間あたりに摂取できる酸素の最大量のこと。この量が大きいほど運動強度の高いスポーツを長時間行うことができます。

私たちは呼吸をすることで酸素を体内に取り入れ、さまざまなエネルギーに変えて運動しています。つまり酸素をより多く体内に取り入れられることは、運動エネルギーもより多く作り出せるということになるので、肺活量をアップさせると体力もアップするといえます。肺活量を鍛えることは結果的に。体力を向上させ、健康維持にもつながります。

痩せやすくなる

前述したように肺活量を増やすと、最大酸素摂取量が増えるため体力がアップし、ダイエットに効果的な有酸素運動を長時間、続けることが可能となります。

また、人間の身体は体内に取り入れる酸素が多ければ多いほど、身体全体の血管を活性化させ血流を促し、結果として基礎代謝量がアップします。基礎代謝量がアップすれば、脂肪を燃焼しやすく太りにくい身体になるでしょう。

免疫力があがる

新型コロナウイルス感染症の影響により免疫力に注目が集まっています。免疫力とは身体を外部から侵入してくるウイルスや細菌から守り、健康な状態を保つ防衛システムのこと。

肺活量が増えると、身体に取り込める酸素の量が増えるため、身体が温まって血流が促進されます。そして血液に含まれる免疫細胞が活性化されることで、免疫力のアップにつながるのです。

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