筋肉痛と超回復の関係性

筋肉トレーニングをしている人やアスリートの人にとって、筋肉痛は少し迷惑に感じるかもしれません。しかし、筋肉痛は筋肉が発達する過程において全く不必要というわけでもなく、むしろ自分自身の筋肉の状態を知らせてくれる指標とも考えることができます。今回は筋肉痛のメカニズムもさることながら、超回復とは何たるか、筋肉痛と超回復の関係性についてご紹介いたします。

筋肉疲労のメカニズム

肉体的筋肉疲労

激しいスポーツ、長時間の立ち仕事、育児、家事など、同じ動作を繰り返し行うと、筋肉が疲れます。これが肉体的筋肉疲労、いわゆる筋肉痛ですね。筋肉痛が起こる原因には諸説があります。

運動中に起こる筋収縮で筋肉への酸素供給が間に合わなくなります。そのためにエネルギー源であるブドウ糖が不完全燃焼を起こすのです。その時に乳酸が残るのですが、筋肉中に蓄積すると筋肉が収縮し、血行が悪くなり、疲労が感じられます。これが一つの説。

もうひとつは傷ついた筋繊維や周辺組織が回復する過程で炎症を起こし、そのときに発生する痛み物質(ヒスタミン、セロトニン、ブラジキニンなど)が筋肉を覆う繊維体、筋膜を刺激するためです。超回復はこちらの説で説明がつきます。ここではこちらの説で話を進めていきます。

精神的筋肉疲労

筋肉疲労は精神的なストレスからも発生します。仕事の悩み、周りの人間関係、家庭問題などで悩みを抱えてしまうと自律神経が乱れて血液の循環が悪くなるのです。そのために、倦怠感(けんたいかん)や脱力感、胃腸の調子が悪くなる、首、肩、肩甲骨などの筋肉に疲労感やコリを感じる、といった不調が感じられてくるようになります。

首筋の後ろや背骨の左右、肩甲骨の内側はストレスからくる影響が表れやすい場所です。慢性的にこれらの痛みを感じる場合は、ストレスの原因から突き止めましょう。

筋肉痛が強いと超回復の効果は大きい!

運動、筋トレによってまず筋繊維が崩壊します。この傷ついた筋繊維がやがて修復され、それまでよりもより太くなります。この筋肉が修復されてその後より強固になる過程を超回復(ちょうかいふく)といいます。こうしたことを繰り返していくことで、筋肥大(筋肉の量が増え、太く大きくなること)し、筋肉が成長していきます。

瞬発的に激しい運動をすればするほど筋肉の組織は大きく損傷します。人間の体には壊れたり疲労したりした組織を修復する機能があり、このとき以前の体よりより強固にしようとします。こうして自力でより強くなろうとするのが筋肉の超回復なのですが、損傷が大きければ大きいほど、つまり筋肉痛が強ければ強いほど超回復もそれに負けじと大きくなります。

筋肉痛の回復と超回復の目安

個人差もありますが、トレーニング後がら超回復に必要な時間は基本的に24~48時間ほどです。場合によっては72時間必要ということもあります。トレーニングの強度も関係するが、筋肉痛の炎症が治まる時間とほぼ一致するため、筋トレを再開するときの目安として活用できます。

また、筋肉の部位別によって超回復の時間も異なります。たとえば、腹直筋(ふくちょくきん)や下腿三頭筋(かたいさんとうきん、ふくらはぎ)は回復するのに24時間で大丈夫です。鍛えた部位は基本的にトレーニング後から2日あけるのが原則ですが、なるべく毎日に近い形で筋トレをしたかったり、そうして毎日の代謝を上げることが目的であれば部位を分けてトレーニングすることもまた一つの方法です。

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