スポーツをする人にとって大切な栄養素「ミネラル」

「ミネラル」は、スポーツをする人にとって大切な栄養素です。

5大栄養素のうちの1つであるミネラルは、身体を構成する材料となったり、体調を整えるなどの重要な役割を担う栄養素。身体づくりの材料として近年注目されているタンパク質に比べ、ミネラルへの意識は低いですが、体内で合成することができない栄養素のため、食べ物から摂取する必要があります。

ミネラル不足は、運動パフォーマンスを低下させる原因となるだけでなく、慢性化すれば生命活動にも影響を与えることもあるんです。

ミネラルが不足すると、、、

ミネラルは、激しい運動やストレスによって消耗し、体水分と共に失われます。スポーツ習慣のある方は、ミネラル不足が起きる前に、食べ物や飲み物でリカバーすることが大切です。ミネラル不足による症状を把握し、身体からのサインに気がつけるようにしましょう。

口内炎・肌荒れ

ミネラル不足の症状の1つ目として、口内炎や肌荒れなどの粘膜や皮膚の炎症が挙げられます。

皮膚・粘膜の健康維持に重要な役割を担う栄養素の1つに、亜鉛が挙げられますが、亜鉛は新しい細胞を形成するのに欠かせないミネラルで、新陳代謝の活発な部分で活躍する栄養素です。新陳代謝のサイクルは体の部位によって異なりますが、肌や粘膜のサイクルは約1ヶ月と、他の部位に比べて新陳代謝のサイクルが短くなります。亜鉛不足の症状は他にもたくさんありますが、新陳代謝のサイクルから考えると、口内炎や肌荒れは比較的早めに現れる症状です。

脱毛・爪の異常

人間の皮膚は、表皮・真皮・皮下組織の3層からできていますが、体毛や爪は表皮細胞が変化してできたものです。体毛や爪を構成する主成分はケラチンというタンパク質で、18種類のアミノ酸が結合してできています。そのうち、シスチンというアミノ酸の成分となるのがイオウです。

イオウは皮膚・髪の毛・爪の構成成分として欠かせないミネラルで、他の栄養素の代謝にも関与します。髪の毛や爪の構成材料となるイオウが不足すると、抜け毛が増えたりや爪が弱くなるなどの症状が現れます。また、髪の毛や爪は皮膚の一部でもあるため、亜鉛不足もトラブルに繋がります。

味覚障害

味覚には、塩味、酸味、甘味、苦味、うま味の5つの基本味があり、これらの味覚を感じる装置が、舌や口腔内の粘膜表面に存在する味蕾(みらい)という器官です。この味蕾細胞の新陳代謝には亜鉛が欠かせない存在で、亜鉛が不足すると味蕾細胞の生まれ変わりに支障をきたし、味覚の低下が起こると言われています。

食欲不振

亜鉛不足によって前述の味覚障害が起きると、食べ物を美味しく感じることができなくなり、楽しいはずの食事の時間を苦痛に感じるようになるようです。また、消化・代謝活動の重要なサポート役となるマグネシウムや塩素の不足は、食べ物を摂取したいという生理的欲求の低下・喪失を招くそうです。

冷え性・肩こり・頭痛

ミネラル・ビタミンは、3大栄養素をエネルギーに変換するために不可欠な栄養素。好きな食べ物ばかりを食べていたり、間違ったダイエットにより栄養バランスが偏ると、ミネラル・ビタミンが不足し、体温の基となるエネルギーを作り出せなくなり、冷え性の原因となります。

また、血圧を上げるナトリウムが不足すると低血圧を招き、血行不良による肩こり・頭痛・しびれなどの原因になります。

むくみ

体液は細胞内液と細胞外液の2種類に大きく分けられ、その体液の構成成分となるのがナトリウムとカリウムです。ナトリウムとカリウムは細胞内外に存在し、互いに協力し合って体水分バランスの調整役を担っています。

通常、ナトリウムは細胞外、カリウムは細胞内に多く存在しますが、高塩分な食べ物でナトリウムを大量に摂取すると、細胞内へナトリウムと水分が入り込み、水膨れ状態となります。この状態がいわゆるむくみです。これを上手く調節するのがカリウムで、ナトリウムを尿と一緒に排泄させる働きを促します。日頃からむくみやすいと感じる方は、食事からのカリウム不足が原因の可能性があります。

足をつるなどの痙攣

痙攣は、自分の意思とは関係なく起こる筋肉の動きの一種で、筋収縮が継続する状態です。まぶたが勝手にピクピク動いたり、寝起きに足がつるといった症状なども痙攣の一種です。

体液中に存在するカルシウム・マグネシウム・ナトリウム・カリウムなどのミネラルイオンには、互いにバランスを保ちながら筋肉や神経の働きを調節する役割があります。加齢・肉体疲労・栄養不足などで、これらのミネラルバランスが崩れると、痙攣が起きやすくなると言われています。

便秘や下痢

便秘解消といえば、食物繊維ですが、実はミネラルやビタミンも腸内環境を整えるのに欠かせない栄養素です。

食物繊維は腸内環境を良好にする善玉菌のエサとなりますが、その分解を助けるのがミネラル・ビタミン。これらが不足すると、食物繊維の便秘解消効果が減ってしまいます。

また、下痢の原因の1つとして、亜鉛不足が挙げられます。亜鉛は新陳代謝の活発な部位で活躍する栄養素ですが、肌の新陳代謝サイクルが約1ヶ月であるのに対し、腸内の上皮組織は数日間で生まれ変わります。亜鉛不足によって、腸の新陳代謝が上手くいかないと、水分を吸収する力が落ち、下痢を引き起こしてしまうそうです。

情緒不安定

ちょっとしたことでイラついてしまうことや、気分が落ち込みやすいなど、不安定な心の状態を上手く解消できない方は、自律神経が乱れている可能性があります。自律神経には、活動状態を司る交感神経と、リラックス状態を司る副交感神経の2種類が存在し、シーソーのように交互に働くことで心身の健康を保っています。

この自律神経バランスの調整役として、ミネラルが深く関与しています。

生殖機能障害

精子や卵子などの生殖細胞は、細胞分裂が活発な細胞の1つです。この細胞分裂に必要な栄養素が亜鉛です。亜鉛不足では、精子の数の減少や、妊娠を維持できないなど、性機能の低下がみられます。

性ホルモンの分泌にも関与し、不足すると性成熟が遅れる可能性もある亜鉛は、とても大切な栄養素なんです。

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