コートの違い

まずコートのサイズが、サッカーとフットサルではかなり違います。

サッカーは68m×105mであるのに対して、フットサルは20m×40mです(正規サイズ)。面積でいうとフットサルのコートはサッカーの9分の1の大きさになります。

このコートサイズの違いが、それぞれのスポーツを特徴づけているともいうことができます。

競技人数の違い

試合に出ることができる競技人数も違います。サッカーは11人、フットサルは5人で行います。サッカーもフットサルも1人はゴールキーパーです。

コートのサイズに関して、フットサルはサッカーの9分の1であるのに対して、競技者数に関して、フットサルはサッカーの約半分となるので、フットサルの人口密度はサッカーと比較をしても非常に高くなります。

ボールの違い

試合で使用されるボールも、似てるだけで、実は全然違うんです。

まずは大きさ。サッカーで使用されるのは5号球という、直径約22cmのボールです。それに対してフットサルでは4号球という、直径約20cmのボールが使用され、サッカーボールより一回り小さくなります。

また、ボールの重さもかなり異なります。フットサルボールは、あまりバウンドしないように重めの作りになっています。これはコートが狭い分、バウンドしやすいとボールが外に出てしまう可能性が高くなるということが理由の一つです。

競技時間の違い

サッカーとフットサルではプレーが行われる競技時間も違います。

サッカーは45分間ランニングタイム、ロスタイムありで行われるのに対して、フットサルは20分間プレーイングタイム、ロスタイムなしで行われます。

サッカーのランニングタイムは、試合開始から時計を基本的には1度も止めることなく時間を測ります。この場合、どうしてもボールが外に出ることや選手交代、怪我人の発生などにより無駄な時間が生まれるため、最後にロスタイムという追加時間が設けられています。

これに対し、フットサルのプレーイングタイムは実際にボールがコートの中にある時間を測るため、ボールが外に出たりファールがあったりするとその都度、毎回時計は止められます。そのため無駄な時間はなく、フットサルにはロスタイムの制度はありません。

プレー再開の違い

ボールがコートの外に出た際の、プレーの再開の仕方にも違いが見られます。

サッカーにおいて、ボールが縦の長い線(タッチライン)を超えた場合、スローインにて試合は再開されます。スローインは、ゴールキーパー以外の選手が試合中に手でボールを触ることができる唯一の機会です。

フットサルにおいては、ボールがタッチラインを超えた場合には、キックインにて試合を再開します。キックインとはボールをタッチライン上(外側25cmまで可)に置いて、足で蹴ることです。

また、ゴールが線上にある横の線(ゴールライン)をボールが超えた場合、サッカーにおいては、ゴールキックにて試合は再開されますが、フットサルにおいては、ゴールクリアランスという、手でボールを投げることにより試合は再開されます。

選手交代の違い

選手交代のルールにも違いがあります。

サッカーでは交代できる人数は決まっており、基本的には3~5人までしか交代できません。また、交代するタイミングも、ボールが外に出たり、ファールがあったりした時でなければならず、審判の承諾も必要です。

フットサルでは交代できる人数、タイミング、回数は全て自由であり、審判の承諾も必要ありません。

コートサイズ、競技者数の違いから、フットサルはサッカーと比較して、スピーディーな展開がなされるため、疲労度が凄まじいですが、交代が自由であることから、疲れたらすぐに交代ができ、一旦休むことが可能です。

フットサルの4秒ルール

フットサルには、サッカーには無い4秒ルールというものが存在します。これは、前述したキックイン、ゴールクリアランスなどにより試合を再開する際に、ボールを投げれる状態、蹴れる状態になってから4秒以内に再開しなければならないというルールです。

ファールがあり、フリーキックにて再開する際、コーナーキックの際にもこのルールは適用されます。審判は手を高く挙げて4秒をカウントするので、選手は審判の手を確認する必要があります。

4秒ルールは、フットサルの特徴であるスピーディーな展開を助長する大切なルールであるといえます。

フットサルにはオフサイドがない

サッカーには、ゴールキーパー以外の相手選手よりも前でボールに関わってはいけない、オフサイドというルールが存在します。

このルールは非常に細かく規定があり、度々変更されることもあって、実際に現役でサッカーをしている選手も厳密には理解できていないことも多い、ややこしいルールです。

しかし、フットサルにはオフサイドのルールは存在しません。ですので、フットサルでは相手選手よりも前で自由にボールをもらうことができ、ゴール前に張り付いていたとしてもルール上は問題ありません。

タイムアウトの有無

フットサルでは、サッカーには無いタイムアウトという制度があります。

これは試合の途中に試合を1分間中断し、作戦会議をしたり、休んだりすることができる制度です。前半と後半各チーム1回ずつ、この制度を申し出ることができます。

この制度により、フットサルでは流れが悪い時に、1度話し合うことができ、悪い流れを断ち切ることもできます。

フットサルではバックパス禁止

サッカーでは、ゴールキーパーに対して、ボールを戻すこと(=バックパス)ができ、パス回しにゴールキーパーが関わることができます。足で蹴られたバックパスは手で触ることはできないので注意は必要です。

それに対して、フットサルでは、バックパスは基本的には禁止されています。

ゴールキーパーが1度もボールに触れていない場合や、相手がボールに触れた場合には、バックパスをすることができますが、サッカーと比較すると、バックパスを受ける回数は少ないです。

第2PKの有無

フットサルには特有の第2PKというルールが存在します。これは、チームの反則の合計が5個になった場合、6個目のファールから、相手チームに対して第2ペナルティーマークからの直接フリーキックが与えられるというルールです。

第2PKの場合、守備側は壁を作るなどの守備をすることができず、ゴールキーパーが止めるか、相手チームが外すかに賭けるしかありません。ファールの数は、前半終了後にリセットされます。

ファールの数が多いと、相手チームに対して大きなチャンスを与えてしまうことになるため、注意が必要です。

退場の際の選手の補充の有無

サッカーもフットサルも、レッドカード、イエローカードによる警告、退場のルール自体は全く一緒で、退場した選手は試合に戻ることはできません。しかし、退場後の選手の補充ができるかどうかには違いがあります。

サッカーは退場後、その人数のまま試合終了まで戦わなければならないのに対して、フットサルでは退場の2分後、もしくはゴールが決められたら選手を補充することができます。

つまり、2分間耐えることができれば、不利な状況から脱することができるのです。しかし、サッカーと比較してフットサルは人数の差は大きなハンデになるため、2分間耐えることは容易ではありません。

攻守の役割分担

サッカーとフットサルでは、攻撃と守備の役割分担という点でも違いが見られます。

サッカーでは、大きなコートをポジションという形で役割分担をして、基本的には、主に攻撃をする人、守備をする人、攻撃も守備もする人などと分かれています。

しかし、フットサルはコートが狭いこともあり、一応のポジションはあるものの、基本的には全員攻撃、全員守備という考え方に基づいています。

全員で攻撃も守備も行わなければ、数的不利が生まれ、失点にも直結してしまいます。この点から考えると、フットサルは、バスケットボールや、ハンドボールにも近いスポーツであることがうかがえます。

フットサルは手軽にできる

フットサルはどうしても「ミニサッカー」と捉える人も多いとは思いますが、サッカーと比較すると、実はこんなにも多くの違いがあります。

フットサルではチームに入っていなくても気軽にフットサルに個人参加できる個サルというシステムもあるので競技人口も多く、フットサル教室や大会なども増えて盛り上がっています。サッカーと比べてコートも小さく屋内で行なわれることが多いので、気軽に楽しむことができるスポーツなので、ぜひチャレンジしてみてください。

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