体に悪いイメージの「紫外線」

かつては健康のシンボルだった日焼けですが、今ではイメージも一転し、皮膚に対する美容上の観点から、多くの人は「紫外線」を避けていると思います。

太陽からはさまざまな波長の光が放出されていて、このうち、地上に達する290~400nmの波長域が紫外線で、波長域が290~320nmの紫外線が「UVB」、320~400nmの紫外線が「UVA」と呼ばれていて、波長が短いほど体に対する影響が強く、波長が長いほど皮膚の深くに入りこむという性質があるそうです。

UVAは皮膚の奥、真皮層にまで届き、大きなシワやシミの原因になり、UVBは表皮に日焼けを起こし、シミにつながるそうです。 UVBは体に強い影響力のある紫外線で、海水浴などでの真っ赤な日焼けの場合、UVBの影響が大きいそうです。

UVBはほとんどが大気中のオゾンに吸収され、地上にはごく一部しか到達しないそうですが、オゾン層の破壊が明らかになってから、皮膚がんなどの有害性が注目されるようになりました。

紫外線を浴びることで得られる「ビタミンD」

日焼け、シワ、シミなどの原因となる一方、実は「紫外線」をある程度浴びることは、体内でビタミンDが生成されるため、健康を維持するために必要なんです。

ビタミンDには、食物からのカルシウム吸収を促し、血液中のカルシウム濃度を一定の濃度に保つ働きがあり、骨格を健康に維持するのに役立ちます。骨量を保ち、骨粗鬆症を防ぐためにビタミンDは必須の栄養素であるとともに、最近の研究では、肝臓がん、肺がん、乳がん、前立腺がんなど、さまざまながんに対する予防効果があることもわかってきているそうです。

厚生労働省の調査によると、食品からとるビタミンDの必要量の目安は5.5µg程度。それに対して、1日に必要なビタミンDの量は15µg以上とされている。足りない10µgのビタミンDは、太陽光線を浴びて体内で生成する必要があるんだそうです。

ビタミンDは6種類あり、そのうち体に必要なのはビタミンD2とビタミンD3。多くの魚類にはビタミンD3が豊富に含まれていて、魚を食べることでビタミンDを十分に体内に取り入れることができますが、魚類を十分に摂取しておらず、必要以上に紫外線を避けていると、ビタミンD不足による弊害が生じかねません。母乳で育てられている小児、外出を好まない高齢者、さらには紫外線を極端に避けている女性などはとくに注意が必要となるようです。 紫外線と上手に付き合い、ビタミンDの不足が起こらないように工夫も必要なんですね。

「紫外線」と上手に付き合っていくには、、、

太陽の下、屋外でウォーキングなどの運動を楽しむのは、心身のリフレッシュにとても有意義ですが、身体を焼くというような、不必要な日光浴は避けた方が良いでしょう。

外出したときなどには、極力、日陰を利用しましょう。ただ、紫外線は太陽からの直接のものだけではなく、空気中で散乱したものや、地面や建物から反射したものもあるので、直接日光のあたらない日陰であっても紫外線を浴びていることは知っておいてください。

また、日傘、広いつばが全周にある帽子、長袖、長ズボンなどにより、皮膚に到達する紫外線を減らすことができるので活用しましょう。顔などを衣類などで覆うことのできなければ、日焼け止めを使うのが効果的。

日焼け止めはPA分類とSPF値の表示があり、PAは主としてUVAを防ぐ指標で、SPFは主としてUVBを防ぐ指標となる。PAとSPFを紫外線量やシーンに応じて使い分けましょう。日焼け止めはしっかり・たっぷり・まんべんなく塗ることが大事で、早めの塗るようにしましょう。

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