はじめに

シジミの種類
日本に生息しているシジミは、ヤマトシジミ、セタシジミ、マシジミの3種です。外観はかなり似ていますが、生態面では大きな違いがあります。セタシジミは琵琶湖の固有種で、琵琶湖でのシジミ漁の対象ですが、環境の悪化や乱獲などから資源量は大幅に減ってしまいました。マシジミは水田周辺の小川にたくさん住んでいましたが、化学肥料や農薬の影響、河川改修・農地整備などの環境変化でほとんど姿を消してしまいました。このように日本には3種のシジミがいますが、シジミ漁業の漁獲量の99%以上はヤマトシジミです。

選び方と保存方法

①選び方
しじみを選ぶときは貝殻の表面につやがあり、水に入れたときにすぐに水管を出すような活がいいものを選びましょう。水がきれいな場所で育ったしじみは、つやつやとして光沢のある明るい茶色の殻で、表面の筋が細く、柄がはっきりと見えるのが特徴です。口が開いているものや殻の割れているものは避け、口がしっかり閉じられているものを選びましょう。水に入れたとき、すぐに水を飛ばす貝は新鮮な証拠のようです。

②保存方法
砂抜きを終えたものを一回に使用する量を小分けしてビニル袋に入れ、乾燥しないように輪ゴムで密閉し、冷蔵庫で保存します。夏は3日程度、冬は6~7日程度がおいしく食べられる期間です。冷蔵保存は身が痩せてきてしまうので、長く保存するのであれば冷凍保存がおすすめです。冷凍の場合は冷蔵保存と同じく、一回に使用する量を小分けにしてビニル袋に入れ、乾燥しないように輪ゴムなどで密閉し冷凍保存します。 冷凍保存では3ヶ月程度までがおいしく食べられる期間です。

栄養と効果

①ビタミンB群
しじみに含まれるビタミンB群は、エネルギー代謝を円滑におこなうえで大切なビタミンです。これらのビタミンは、食事から摂るとともに通常体内の腸内細菌により産生されているため不足しにくくなっていますよ。しかし、極端な食事制限や、偏食が続いている人、加工食品を多く摂取する人においては、ビタミンB群が腸内で産生されず不足する可能性があります。

②カルシウム
カルシウムは骨や歯を構成する成分です。実は吸収率の悪い栄養素でもあり、意識してカルシウムの多い食品を選ばないと、知らないうちに不足してしまうこともあります。摂取量がもっとも少ない年代は20歳前後といわれ、不足すると骨粗鬆症の原因にもなるといわれています。

③タウリン
しじみに含まれるタウリンは、体内の機能がはたらきすぎることを制御したり、機能が低下した時には改善させたりする働きがあります。

④オルニチン
しじみに含まれているオルニチンはアミノ酸の一種で、肝臓の働きを助けてくれるはたらきがあります。肝臓での代謝や解毒作用を助けてくれるので、二日酔いの予防に役立ちます。また、オルニチンは疲労のもととなるアンモニアの分解も助けるといわれており、エネルギーの産生をスムーズにして疲れをためにくい体づくりにも役立ちます。

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