はじめに

最近、じゃがいもを頂いたのでオーブンで温めて食べていたのですが、栄養面が気になったのが今回のきっかけです。春に収穫される「新じゃが」が有名なじゃがいも。しかし実のところ、じゃがいもの旬は春だけではないのです。じゃがいもの旬は春と秋、1年に2回訪れます。正確な時期は品種にもよりますが5~6月、10~2月ごろになります。春には皮が薄くてみずみずしい新じゃがいもが、秋には皮が厚めで長期保存に向いたじゃがいもがとれます。歴史はというと、約400年前の慶長年間(1600年前後)にインドネシアのジャカルタを拠点にしていたオランダ人が長崎に入れたと言われています。そのため、じゃがいもの名前も「ジャガタラ」に由来しています。日本では、飢饉の時の救荒作物として広まったのですが、さつまいもが暖地に広まったのとは対照的に、じゃがいもは寒高冷地に普及していったそうです。

栄養と効果

① ビタミンC
身体の免疫力を高める、コラーゲンの生成を促す、鉄やカルシウムの吸収を高めるなどの効果が期待できるビタミンCですが、レモンやみかんなどの柑橘類に多く含まれるイメージがありますよね。実は生のじゃがいもにもみかんと同等量のビタミンCが含まれています。ビタミンCは熱に弱いので、加熱調理で失われやすいことが知られています。しかし、じゃがいもの場合はでんぷんがビタミンCを守るので、加熱調理をしても失われにくいとされているそうです。

② 食物繊維
食物繊維は便のかさを増やす、腸内の善玉菌を増やすなど、腸内環境を整えてくれるため便秘予防に効果があることで有名ですよね。また、食後の血糖値の急激な上昇を抑える働きもあり、生活習慣病の予防・改善効果が期待できます。

③ カリウム
カリウムにはナトリウムを排出する作用があり、塩分の摂り過ぎを調整する上で重要な栄養素です。日頃からむくみがちな方や血圧が高めの方にも良いとされています。じゃがいもは、にんじんやトマトよりもカリウムを豊富に含んだ食材です。

④ 炭水化物
炭水化物はたんぱく質、脂質と並ぶ三大栄養素とされており、人間にとっては欠かせない栄養素の一つです。炭水化物は体内に取り入れられると糖質と食物繊維に分けられ、糖質は生命維持や活動に必要不可欠なエネルギー源になります。人間はエネルギー不足になると疲れやすくなり、集中力も減少してしまいます。反対に摂り過ぎるとエネルギーとして消費されなかった糖質は中性脂肪として蓄積され、肥満や生活習慣病の原因になるので注意しましょう。

じゃがいものポイント

① ビタミンCやカリウムなどの水溶性の成分は水に溶けだしてしまう性質があるため、でんぷんに守られているといっても茹でこぼすような調理法はせっかくの栄養素を逃してしまう可能性があります。ビタミンCを無駄なく摂るためには蒸し料理や煮汁ごと食べる料理が適しています。じゃがいも料理の定番である「肉じゃが」や「カレー」などは理にかなった食べ方なんだそうです。

② 皮にも栄養満点
じゃがいもに含まれる栄養素であるビタミンやミネラルの約20%は、実は皮に含まれています。また、皮には食物繊維も含まれているので、皮を剥かずにまるごと食べるのは賢い食べ方です。皮ごと食べるときはよく洗い、じゃがいもの芽の部分はソラニンやチャコニンという毒素があるため取り除いてから食べるようにしてください。

今までじゃがいもは含まれているエネルギー量(カロリー)が気になって避けていた方も多いかと思いますが、食べ方に気を付けるだけで私たちの味方になってくれます。普段から手に入りやすい食材なので、健康や美容のために上手に日々の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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