はじめに

銀杏(ぎんなん)とは、秋に黄金色に紅葉するイチョウの木の実です。昔、イチョウから落ちた銀杏がとても臭かったことを覚えています。あの臭さは足の悪臭と同じ物質からできており、サルやネズミなど哺乳類全般に嫌われるため、太古の昔から生き残ったと考えられているそうです。においが嫌われるため、街路樹によっては実をつけない雄株で統一されている場所もあるほどなのだとか。イチョウは中国が原産といわれており、なんと2億年以上も前から地球に存在するとても生命力の強い植物なのです。枯れにくく手入れが楽なので街路樹として多く使われ、秋限定で黄金色のトンネルになるイチョウ並木は各地で観光スポットにもなっています。

栄養と効果

栄養
① ビタミンE
銀杏には、ひと粒(2g)あたり約0.01mgのビタミンEが含まれています。ビタミンEの最大の特徴は、強い抗酸化作用。その作用により、不飽和脂肪酸やそのほかの成分の酸化を抑制する働きがあります。

② ビタミンB1
銀杏はビタミンB1も含まれており、ひと粒(2g)あたり0.01mgです。ビタミンB1は糖質の代謝に深く関わっており、不足すると体内のエネルギーが足りなくなって、倦怠感を覚えることもあるそうです。

③ カリウム
銀杏ひと粒(2g)あたり14mg含まれているカリウムには、ナトリウムとともに細胞液の浸透圧を調整する働きがあります。塩分の過剰摂取により体内のナトリウムが多くなってしまったときには、排出を促す効果も認められています。

効果
① 滋養強壮
銀杏は昔から、滋養強壮によい食べものとされてきました。これは、イチョウ特有の成分である「ギンコライド」などによるものなのだとか。滋養強壮の効果があまりに高いので、食べ過ぎると鼻血が出てしまうこともあるそうです。

② 免疫力アップ
銀杏のビタミンCの含有量は、食べられる種実類のなかではトップクラスの高さ。ビタミンCは、抗酸化作用があるとともに免疫力を強くする働きがあります。皮膚や粘膜を丈夫にするβ-カロテンも含まれているので、風邪の予防にもよさそうですね。

③ 喘息の改善
肺を温めてくれる効果が期待できることから、漢方では、銀杏は咳止めに効果があると言われ、漢方薬の成分としても利用されています。

食べ過ぎは要注意

特有の風味や食感でおつまみに人気の銀杏ですが、食べ過ぎるのは危険。銀杏の過剰摂取は、嘔吐や呼吸困難、けいれんなどの中毒症状を引き起こす恐れがあります。この症状は、「4’-メトキシピリドキシン」という成分により、ビタミンB6の働きが阻害されるために起こります。

1日の摂取量
銀杏中毒の発症には、個人差があります。日本中毒情報センターが報告している情報によると、子どもの場合は7〜150個、成人の場合は40〜300個で中毒症状が現れるとされているそうです。成人であれば、つまむ程度に食べる分には問題ないそうなので、食べ過ぎなければ問題なさそうですね。

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