昔と比べると、日本の夏は「脱水症」を引き起こしやすくなっている!
近年は「脱水症」と言う言葉をよく耳にしますが、私の子供の頃はそんな言葉を聞くようなことはあまりなかったような。それもそのはず、昔と比べると「脱水症」を引き起こしやすい環境になってきているんです。
地球温暖化とヒートアイランド現象が脱水症リスクを高めている!
「脱水症」を引き起こす要因の一つとして挙げられるのが、“地球温暖化”と“ヒートアイランド現象”です。外気温が上がると汗で体液が失われやすくなり、脱水症のリスクが上がりますが、これに加えて、二酸化炭素などの温室効果ガスによる地球温暖化の進展が、脱水症のリスクをさらに上げることになります。
さらに放熱性に優れた土が露出している部分が少なく、コンクリートなどで熱がこもりやすい都市部では、暑い季節に周辺よりも気温が上がるヒートアイランド現象が起こります。これも都市部における脱水症の危険度を上げているのです。
エアコンが脱水症を引き起こす環境に慣れにくくしている?
エアコンなどによる屋内の良好な環境への慣れも、脱水症のリスクを高めます。
気温と湿度が高いと汗で体液を失いますが、かといって1年中高温多湿の環境で暮らしている熱帯地方の人びとが脱水症にかかりやすいわけではありません。熱帯地方の人びとは高温多湿の環境に慣れているため、その環境に適した体質と習慣を整えているためです。
一方、日本のように四季があると、気温や湿度などの環境が変化するため、暑い環境に適した体質と習慣を整えることが難しいというデメリットがあるんだそうです。そのうえ、エアコンなどにより、季節を問わず屋内の環境を良好に保てるようになると、カラダが快適な環境に慣れてしまい、脱水症を起こしやすい高温多湿の環境に対応しにくくなってしまうんです。
社会の高齢化も要因?
日本での高齢者が占める割合は年々増えていますが、それも脱水症が増える一因になっています。
高齢者は加齢とともに50%程度まで体液の量が減少していきます。そのうえ体液の供給が少なく、体液の維持が困難という傾向があります。体液の供給が少ないのは、食が細くなって食事量が減り、水分や電解質の摂取も減るからです。体液の維持が困難なのは、腎機能や自律神経の働きが低下しているためです。また、防衛体力が低下して体調を崩しやすく、下痢や嘔吐などによる体液の喪失の機会も増えます。カラダに入る体液が少なく、維持が難しくカラダから出る体液が多くなると、どうしても脱水症に罹りやすくなります。
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