話題のヨウ素の効果とは?
ヨウ素とは、人間にとって必要不可欠なミネラルのひとつで、ヨードとも呼ばれます。
ヨウ素とは
ヨウ素とは、人間にとって必要不可欠なミネラルのひとつで、ヨードとも呼ばれます。人間の体内には甲状腺に多く存在し、甲状腺から分泌されるホルモンの主要な構成成分となり働いています。ヨウ素は海のミネラルとも呼ばれ、海藻に多く含まれています。また、ヨウ素には殺菌作用もあり、手術前に使用される消毒液や、うがい薬などの消毒薬として使用されています。また、千葉県の白子温泉や新潟県の柏崎温泉は、殺菌効果のあるヨード温泉として有名です。消毒液などは刺激性が強く外用のみに使うもので、飲用することはできません。ヨウ素は海水中に多く存在するため、海のミネラルとも呼ばれます。コンブやワカメ、ヒジキなどの海藻や魚介類に多く含まれており、海藻を食べる習慣のある日本では、ヨウ素が不足する心配はほとんどありません。しかし、海藻や魚介類を食べる習慣のない諸外国では欠乏しやすい栄養素といわれ、アメリカなどではヨウ素とナトリウムの化合物であるヨウ化ナトリウムを食塩へ添加して販売されています。ヨウ素は、黒紫色で光沢のある金属の結晶です。ヨウ素の結晶が溶けると液体となり、その液体は赤褐色をしています。また、結晶が気体になると紫色になります。ヨウ素はアルコールなどの有機溶媒やヨウ化カリウム水溶液によく溶け、酸素とは反応しません。デンプンと反応すると、深い青紫色を示します。
ヨウ素を含む食品
①海藻類:コンブ、ワカメ、ヒジキ、アマノリなど
②魚介類:イワシ、サバ、カツオ、ブリ
ヨウ素の働き
食事から摂取したヨウ素は、胃と腸で吸収されて血液で運ばれ、甲状腺に取り込まれて蓄積されます。甲状腺は、人間が生きていくための代謝の維持に必要な多くのホルモンを分泌する器官で、ヨウ素は主にトリヨードチロニンとチロキシンという甲状腺ホルモンをつくる材料となります。ホルモンとしての働きはトリヨードチロニンの方がはるかに強く、作用するのも主にトリヨードチロニンです。トリヨードチロニンはチロキシンからもつくられますが、チロキシンからトリヨードチロニンをつくるためにはセレンが含まれる酵素が必要となるため、セレンが欠乏しても甲状腺の機能異常として甲状腺機能低下症が起こることがあります。
ヨウ素の効果
① 成長促進効果
ヨウ素が材料となってつくられた甲状腺ホルモンは、三大栄養素である炭水化物 (糖質)、脂質、たんぱく質の代謝を促進し、成長や神経活動を活発にする効果があります。ヨウ素は代謝を促進することによって、細胞の生まれ変わりが盛んな皮膚や髪、爪を健康に保つために重要な役割を担っています。また、神経細胞の発達や末梢組織の成長にも関わるため、脳や知能の発達にもヨウ素が必要不可欠です。成長の促進に関わるため、乳幼児や成長期の子どもには特に必要な成分です。
② 基礎代謝を高める
ヨウ素が材料となってつくられた甲状腺ホルモンは、交感神経に働きかけて基礎代謝を調節する効果があります。全身の基礎代謝を向上させて呼吸を早め、酸素の消費量を高めたり、心臓の働きを強くして脈拍数や心拍出量を増やします。また、ヨウ素は基礎代謝を高めることから、甲状腺の機能が異常に高まり基礎代謝が過度に上がるバセドウ病などの治療の際には、ヨウ素の摂取が制限されることがあります。最近ではヨウ素が血中の悪玉 (LDL)コレステロール値を下げる、脂肪燃焼を促すなどといった実験結果の報告もされており、動脈硬化の予防やダイエットへの期待も高まっています。しかし、摂り過ぎても健康への害があるため、適量を摂取することが大切なそうです。
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