「味覚障害」とは

「味覚障害」は、通常の味を感じることができなくなる症状です。コロナの影響以外だと、唾液や咀嚼の不足、味細胞の受容体の異常、神経の異常、味覚中枢である味覚野の異常などによって起こります。

症状としては、コロナの初期症状で言われている、味が薄く感じられる“味覚減退”や、味がまったく分からなくなる“味覚消失”だけでなく、本来の味とは違う、嫌な味がするという“異味症”、甘味だけが感じられない“解離性味覚障害”、何も食べていないのに、いつも口の中で苦い味がする“自発性異常味覚”などがあり、実は老若男女を問わず増えている症状でもあるそうです。

なぜ「味覚障害」が起こる?

人間が味を感じるのは、食物の中の物質が唾液に溶けて、舌の“味蕾(みらい)”に入り込み、味蕾の中の味細胞が味覚を捉えて、味覚神経を通して大脳へ信号を送り、味を判断する大脳の中の味覚中枢が信号を受信し、感じられた味を判断します。この伝達経路のどこかが故障すると「味覚障害」が起こるんです。

主な原因は“亜鉛不足”!

「味覚障害」の原因には、薬剤性の理由、病気(糖尿病・肝臓疾患・胃腸疾患・腎臓病など)、口腔の病気(舌の病気など)、うつ病やストレスなどが挙げられますが、実はその原因の半分以上を占めているのが“亜鉛不足”と言われています。

実は味蕾の中にある味細胞は、体内の細胞の中でも新陳代謝が非常に活発な細胞で、約1カ月ごとに生まれ変わっているのです。そして、その細胞の再生には“亜鉛”が重要な働きをするのです。このため、体内の亜鉛が不足すると最初に影響を受けるのが味細胞なのです。

上記で挙げた薬剤性によるものも、薬そのものによるものと、薬によって亜鉛の吸収が妨げられる場合もあります。また全身の病気が原因とされる中で、胃腸疾患の場合は亜鉛の吸収力が低下したことで亜鉛不足に陥り味覚障害に繋がるケースもあります。

“亜鉛不足”を防ごう!

“亜鉛不足”の原因は、食生活の偏りと言われています。ファストフードや出来合いの弁当などで食事を済ませてしまうことで、亜鉛不足が起こります。独り暮らしの若い人に多く見られますが、近年では高齢者夫婦や孤食のお年寄りにも多いそうです。こうした食事では微量栄養素である亜鉛はほとんど摂取出来ないからです。さらに添加物の多い食品であれば亜鉛の吸収を妨げる物もあります。こうして亜鉛不足が進み味覚障害に繋がるのです。また、過剰なダイエットで栄養バランスが崩れても症状が現れます。

“亜鉛不足”を予防するためには、食事に気を配ることが大切です。牡蠣・牛肉・うなぎ・ごま・海藻・大豆・卵黄・アーモンドなど、亜鉛を多く含む食品を食べるようにしましょう。また、摂取した亜鉛が効果的にはたらくよう、日頃からビタミンCや動物性タンパク質を合わせて摂取するとより良いです。

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