ビールが出来るまでの工程
ビールの原料はそれぞれの国によって異なった使い方がありますが、日本では酒税法により、麦芽・ホップ・水のほかに副原料として、米・とうもろこし(コーン)・でんぷん(スターチ)・糖類等を使用することができます。
はじめに
みなさんはビールがどうやって出来るのかをご存知でしょうか?
今やコンビニですぐに買えたり、居酒屋では当たり前の様に飲めるビールですが、作り方までは知らない方も多いのではないでしょうか?
今回はそんなビールが出来るまでに、何が使われてどのようにビールが作られるのかを少しですが紹介したいと思います。
原料
●ビールの原料
ビールの原料はそれぞれの国によって異なった使い方がありますが、日本では酒税法により、麦芽・ホップ・水のほかに副原料として、米・とうもろこし(コーン)・でんぷん(スターチ)・糖類等を使用することができます。それぞれのビールに使用された原料(水を除く)はラベルなどに表示されています。
◆麦芽
麦芽は主として二条大麦(ビール大麦)からつくられます。この麦がビール醸造用 に使用されるのは次のような必要条件を備えているからです。
●穀粒の大きさ、形状が均一で大粒であること。
●穀皮が薄いこと。
●でんぷん含量が多く、たんぱく含量が適正であること。
●発芽力が均一で、しかも旺盛なこと。
●麦芽にした際、酵素力が強いこと。
●麦芽の糖化が容易で、エキスの発酵性がよいこと。
ビール大麦は日本各地で栽培されていますが、現在使われている麦芽の大部分は品質、価格面で優れているカナダ、オーストラリア、ヨーロッパ各国などからの輸入麦芽です。
◆ホップ
ビールの原料の中で最も特色のあるのはホップでしょう。ホップは多年生、雌雄異株のつる性の植物で、ビールの醸造には雌株につく受精していない毬花を8~9月に収穫して使います。
ホップがビールに果たす重要な役割は、
●ビールに独特な芳香と爽快な苦味を与えること。
●麦汁の過剰なたんぱく質を沈殿・分離させ、ビールを清く澄んだものにすること。
●雑菌の繁殖を抑え、ビールの腐敗を防ぐこと。
●ビールの泡もちをよりよくすること。
などですが、このような作用はホップの有効成分であるルプリン(黄色い花粉のように見える樹脂の粒)の働きによるものです。
世界的にホップの生産地は緯度で35~55度の間に位置していますが、日本では東北地方など気候の冷涼な所で栽培されています。しかし、現在ビール醸造に使用するホップの多くはドイツ、チェコなど海外からの輸入ホップです。
◆水
醸造用水はビールの品質に大きな影響を与えるだけに、適質の水が得られることが工場の立地を決める際の重要な条件となっています。それだけに水質条件もきびしく、成分だけでなく無色・透明・無味・無臭で、生物的に汚染されていないことも要求されます。
一般的に淡色ビール(日本の普通のビールはこれに該当)にはカルシウム、マグネシウムや炭酸塩の含有量の比較的少ない軟水が適し、濃色ビールには硬水がよいとされています。
◆米・コーン・スターチ
原料としての米・コーン・スターチはビールの味を調整し、バランスのよいものにするのに役立ちます。これらはアメリカやヨーロッパ諸国(ドイツを除く)でも消費者の嗜好に合わせたビールを醸造する手段として広く使われています。
◆糖類
スタウトビールは発酵性エキスの濃度を高くするために加糖しています。その結果アルコール分が約8%と高くなっています。
製造工程
① ビール造りは大麦を発芽させる「製麦」からスタート
ビールの製造方法は、一般的に「製麦(せいばく)」と呼ばれる工程から始まります。
ビール造りに欠かせない原料のひとつに「麦芽(ばくが)=モルト」があります。製麦とは、大麦を発芽させて麦芽を造ること。
まずは大麦を水に浸してたっぷりと吸水させたうえで、一定の温度に保たれた「発芽室」で、定期的に大麦を混ぜながら発芽を促します。
発芽した大麦を醸造しやすく加工
発芽室で大麦の成長を止め、長期保存できるように乾燥させることを「焙燥(ばいそう)」と呼び、これにはビール独特の色や香りを生み出す目的もあります。
その後、不快な苦味のもととなる根を切り取る「除根(じょこん)」を経て、濃色ビール場合はさらに「焙煎(ばいせん)」が行われます。このときの温度や時間によって、ビールの色や風味、香りが大きく変化します。
② ビールの製造方法の第二段階となるのが「仕込」です。まずは麦芽を細かく粉砕し、仕込釜で煮ることで「マイシュ」と呼ばれる、お粥のような状態になります。
このとき、麦芽に含まれるデンプンが酵素の力で糖に分解される「糖化」が行われ、あわせてタンパク質もアミノ酸に分解されます。
「マイシュ」をろ過した「麦汁」をホップとともに煮沸
十分に糖化とタンパク質分解が進んだマイシェをろ過し、固形分を取り除いたものが「麦汁(ばくじゅう)」です。
一般的には、このタイミングでビールのもうひとつの主原料である「ホップ」を加えて煮沸することで、不快なにおい成分が揮散し、ビール独特の苦味や風味が生まれます。
③ ビールの製造方法における3番目の工程が「発酵・貯酒」です。仕込工程で造られた麦汁を発酵させることで、ビールに欠かせないアルコールと炭酸ガスを生じさせます。
まずは麦汁を発酵に適した温度まで冷やします。一般的には、高温の「上面発酵(エール)」で15~25度、低温の「下面発酵(ラガー)」で10度前後です。
適温となった麦汁に酵母を添加し、酸素を供給することで、酵母が増殖して発酵が進み、糖がアルコールと炭酸ガスに分解されます。
「若ビール」を熟成させ、味や香りを整える
発酵が進んでアルコールや炭酸ガスを含んだ麦汁を「若(わか)ビール」と呼びますが、まだ味が粗くて香りも未熟です。これを低温で熟成させるのが「貯酒」工程。熟成中も残った糖分の発酵が進むため「後発酵」とも呼ばれます。
この工程では、炭酸ガスを溶解させたり、不快な香り成分を他の物質に変換させたりと、熟成によってビールの味を整えます。
④ ビールの製造方法における「ろ過」とは、酵母などの固形物を取り除いて、濁りのない透き通ったビールにすること。
ビールのなかに酵母が残ったままだと、出荷した後も発酵が進むため、長期にわたる品質維持が困難です。そこで、一般的にはろ過、あるいは熱処理によって酵母を除去(不活性化)します。
ただし近年では、岩手県の「銀河高原ビール」のように、あえてろ過せずに酵母を残したままパッケージングする「無ろ過ビール」も登場。約5度前後での冷蔵保管が求められるものの、酵母の旨味を活かした独特の個性で人気を集めています。
ろ過技術の進歩が、熱処理しない「生ビール」を生んだ。
かつては、酵母を除去(不活性化)する方法としては、熱処理が主体でしたが、近年になってろ過技術が進歩すると、ろ過だけで酵母を取り除くことが可能になっています。
日本で呼ばれる「生ビール」とは、一般的には発酵後の熱処理を施さずに製造されたビールのことを意味しています。
⑤ビールの製造方法の最終段階となるのが「パッケージング」。瓶や缶、樽などの容器にビールを詰める工程です。
ビールが酸素に触れて品質が落ちないよう、容器内に密閉することで、ビールの長期保存を可能にします。ビール工場から消費者のもとへ、高品質なビールを安全に届けるために必要不可欠な工程と言えるでしょう。
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