カレーやシチューにと定番の人参ですが、子どもだけでなく大人も苦手とする野菜のひとつの人参。どんな効果があるのでしょうか。
現在、一般家庭でよく見かけるにんじんは「五寸にんじん」とも呼ばれ、もともとはオランダやイギリスを経て改良が行われた「西洋種」の人参なんです。
βカロテンが豊富
β-カロテンは強い抗酸化作用をもつ栄養です。がんの予防効果があるとされ、特にすい臓がんや肺がんの予防に効果が期待されています。
また、人参は同じく抗酸化作用をもつ「クマリン」と呼ばれるポリフェノールも含みます。そのため、β-カロテンやクマリンには、動脈硬化などの生活習慣病や老化の予防にも効果があります。
野菜類のβ-カロテン量はしそやモロヘイヤがダントツですが、サラダや煮物、炒めものと食べる機会が多いことから、β-カロテンを摂取しやすい野菜と言えます。
目の健康に
ニンジンにはβ-カロテンと同じくカロテノイドに分類されるルテインが含まれていることも注目されています。ルテインも優れた抗酸化作用を持つことから目の黄斑部や水晶体などを酸化ダメージから守り、眼病や視機能の老化を抑制する働きが期待されています。加えてルテインは「天然のサングラス」とも称されるように、スマホやパソコンの画面などから発生するブルーライト(青色光)を吸収して目を守る働きも報告されており、パソコン・スマホ・テレビなどに囲まれて生活している現代人の目を守ってくれる存在としても注目されています。
実験などで眼病予防に有効性があると考えられている1日のルテイン推奨量摂取量6~10mg。にんじんだけでこの量のルテインを補給しようと考えると、10本以上の量が必要となることが分かっています。ただし野菜類の中では豊富な部類であり、食事の中でデイリーに補給することを考えるとホウレンソウと並んで最も取り入れやすい食材です。
血にも
人参に含まれている芳香成分クマリンは抗凝固作用=血液を固まりにくくする作用があります。この働きから血液の粘度を低下させてスムーズな血流を促すことに繋がると考えられており、血液循環を良くすることでリンパの循環を整える働きも期待されています。サプリメントで注目された“メリロート”が血行不良やむくみ緩和に役立つのではないかと言われているのも、実はこうしたクマリンの働きによるもの。にんじんに含まれているクマリンはサプリメントや医薬品のように量が多くはありませんので効果の程については未知数ですが、クマリンの過剰摂取は健康被害に繋がることも指摘されていますのでナチュラルに安全に補給できる点は嬉しいです。
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