今もある平安時代の若者言葉

●「ビビる」

「ビビる」という言葉は、若者ばかりでなく中高年でも普通に使っていますが、これは、なんと平安時代から使われていたそうです。
その語源は、戦の時に大軍が動き、鎧が触れ合ったときに「ビンビン」という音が響くことから、「びびる音」と呼んでいたことから来ています。

源平の争いの時、小鳥が一斉に飛び立つ音を、平家軍側が源氏軍が攻め込んできた「びびる音」と勘違いして「ビビって」逃げたということです。
この戦いは富士川の戦いと言われ、歴史にも名高い戦となっています。

●「ムカつく」

「ムカつく」も平安時代後期から使われていたといいます。
その時代の「ムカつく」は体調がすぐれない、「胸がむかむかする、吐き気がする」という意味で、いまもそのような意味で使われています。

現在の「ムカつく」は腹が立つ、頭にくるという意味でも使われますが、そのような意味で使われるようになったのは、江戸時代以降と言われています。
自分の体調がというよりは、嫌いな相手を見ることによって自分の体調が変化することからの「ムカつく」なのかもしれません。

江戸時代から始まった若者言葉

●「モテる」

「モテる」は江戸時代から使われている言葉です。
語源は「持てる」ということで、意味は1)持つことができる、持ち得る 2)保たれる、支えられる 3)もてはやされる、ちやほやされる で、「持つことができる」から受け身の「支えられる」「もてはやされる」と転じていったようです。

「モテる」とカタカナ表記になったのは昭和の中期あたりからだそうで、現在では漢字で「持てる」と書くと、本来の「持つことができる」という意味に、カタカナで「モテる」と表すと「もてはやされる、人気がある」という意味になっているようです。

●「マジ」

現在は「え、マジで?」というように、感嘆詞的に使われていますが、その語源は「真面目」「本気」「真剣」という意味で、江戸時代の芸人の楽屋言葉から始まったと言われています。
それが1980年代から若者中心に流行だし、「マジで」「マジに」などの副詞として、また「マジ○○」のように形容詞的にも使われています。
「本気」と書いて「マジ」と読ませるのはよくあることですね。

若者言葉の特徴

●短縮形

若者が新しく言い回しを作るときに一番多いパターンは短縮形ではないでしょうか。
もう20年以上前に流行った「チョベリグ」「チョウベリバ」がその短縮形のはしりと言えるかもしれません。
「チョベリグ」は「超very good」を縮めたもので、「すっごっく良い」と言う意味で、それぞれの単語の頭をとった形ですが、最近の短縮形は、かなり縮めた言い方が多く、一瞬聞いただけで意味の分からいものも増えているようです。

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