はじめに

みなさんはピロリ菌という言葉をご存知でしょうか?
名前は聞いた事あってもどういったものなのかわからないって言う方も多いですね。
胃の病気を招くと言われているピロリ菌。
今回はピロリ菌について少しですが紹介したいと思います。

ピロリ菌

ピロリ菌は、人の胃から発見された細菌で、数本のべん毛を持っているのが特徴です。体の免疫機能がしっかりできていない子どもの頃に感染するといわれています。とても弱い菌ですが、感染していったん胃の粘膜に侵入するとアンモニアを産生。その状態が長く続くと炎症を繰り返して慢性の胃炎になります。胃がんの発症と深く関連するのは、ピロリ菌によって胃の粘膜が壊れて、組織が元の状態に戻れなくなった「萎縮性胃炎」です。
人の体は、なんらかの刺激を受けるとその状況に適応しようと組織が変化します。ピロリ菌によって炎症が続くと胃の粘膜は腸の粘膜に置き換わり、ピロリ菌が棲めない環境にして身を守ろうとします。ところが、その過程がスムーズにいかず、途中で組織の一部に変異が起こります。それが胃がんの始まり。萎縮性胃炎はこの前段階と考えられています。

治療

ピロリ菌の感染がわかり、内視鏡でピロリ感染胃炎と診断されたら、保険適用でのみ薬による除菌治療が行われます。
まず2種類の抗生物質(抗菌薬)、アモキシシリンとクラリスロマイシンと、胃酸によって抗生物質(抗菌薬)が効かなくなるのを防ぐためにカリウムきっ抗型胃酸分泌抑制薬やプロトンポンプ阻害薬など胃酸の分泌を抑える薬、合計3種類の薬を、1日2回、7日間のみ続けます。これが1次除菌で、治療が終わってから1~2か月後にピロリ菌の検査を行い、感染していなければ治療終了となります。
ピロリ菌が残っていたら、2次除菌を行います。クラリスロマイシンをメトロニダゾールに変えて、再び3種類の薬を7日間のみ続けます。1次治療と2次治療を合わせると、除菌の成功率は99%以上です。
ピロリ菌の除菌は、多くの場合、胃がんになる可能性を大きく下げますが、ゼロにするわけではありません。なぜかというと、胃がんになるかどうかは、ピロリ菌がどれだけ長い間、胃にダメージを与え続けていたかが問題だからです。そこで、内視鏡検査で胃粘膜の萎縮の程度を確認します。

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