逆流性食道炎

・胸やけ、胸の酸逆流感、みぞおちの痛みなど胃酸や腸液の逆流主体とした症状ですが、あたかも心臓が悪いのではないかと感じるような胸の痛みを感じる方もいらっしゃいます。このような場合には循環器疾患との鑑別も大切です。
・喉元付近の異和感が続くケースもあります。喉の病気かと思い耳鼻科を受診した後に来られる方もいます。咳払いをしたくなるようなイガイガや、そのうち咳自体が症状の中心になり慢性の咳となる事もあるため注意が必要です。
・胃カメラ検査では胃食道境界部の粘膜にビラン(ただれ)や潰瘍などの変化が確認されます。甘いものを食べた後や飲酒後の朝に胸やけを感じる事は誰にでもある事ですが、症状が続きつらい場合は是非相談ください。

食道カンジダ症

・頻度は高くありませんが、免疫力の低下した方やステロイドホルモン薬を使用中の方などがなりやすい病気です。カビの仲間であるカンジダという菌が食道や口腔内に蔓延る病気で、ひどい場合には食道の壁が白い菌糸の塊でぎっしりとなる事があります。
・のどの異和感や胸のしみる感じでみつかることもあります。診断後は抗菌薬で治療ができます。程度の軽いものは症状もなく飲酒家や中高年の方にみられる事があります。

胃・十二指腸潰瘍

・原因としてはストレス、刺激性食品の過剰摂取、薬剤性(とくに痛み止め)、胃酸過多となる特殊な疾患、栄養状態不良、その他複合的な原因などが考えられますが、もともとヘリコバクター・ピロリ菌が胃に感染している方がなりやすいことが分かっています。
・黒い炭色の便(黒色便)がでているような場合は潰瘍からの出血が疑われます。すぐに受診して下さい。
・必ずしも強い痛みがない方やたまたま血液検査の貧血でひっかかりみつかることもあります。見つかったらピロリ菌の除菌までしっかりおこない再発を予防するのが一般的です。

慢性胃炎

・上記のような症状を呈する方で潰瘍がなく、胃炎のみがみられる場合に診断されます。
・多くの場合にはピロリ菌の感染がベースとなっています。ピロリ菌は持続的な感染と炎症を胃でおこすためです。胃粘膜の萎縮や腸上皮化成というゴツゴツした変化、炎症による赤みが内視鏡検査で確認できます。
・ピロリ菌による慢性胃炎は胃がんのハイリスクとなるため、定期的にチェックする事が奨められます。
・最近は市や区でおこなっているABC検診が広まり採血検査で簡単にピロリ菌と胃炎の有無がわかるようになりました。お住まいの地域で検診をやっているか調べて受けてみるのも良いでしょう。
・ピロリ胃炎以外にもストレスなどが原因でおこるびらん性胃炎、表層粘膜が赤くなる表層性胃炎などがあります。胃カメラでは簡単に診断することが可能です。

胃がん

・胃粘膜からでる上皮性の悪性腫瘍を胃がんといいます。症状は一概には言えませんが、上記のような症状がしばしばみられます。特に、体重減少や食欲低下がみられる場合や疲れやすさ(易疲労感)が強い方の場合は早急に検査をしてこの病気がないか確かめたほうが良いでしょう。
・早期のがんは症状がない事が多いため注意が必要です。また日本人の胃がんのほとんどはピロリ菌感染者からおこるため検診の機会にピロリ菌の感染の有無を調べ、存在した場合は胃カメラをチェックした上でピロリ菌退治(除菌)をする事が奨められます。

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