雷が出来るまで

1 .まずは水分が雲をつくります。
雲は水分のかたまりですが、空へ高く上がっていくと氷の粒になり、それが、ぶつかり合ったりこすれ合ったりするようになります。
ここで、静電気が発生します。

2 .発生した静電気は、雲の中に溜まっていきます。
この帯電した雲が、雷曇。

3 .さらに雷曇の中では、マイナスの電気を持った氷の粒が、雲の下の方に集まってきます。
プラスの電荷は上に集まります。まるで巨大な磁石みたいですよね。

4 .さらに、そのマイナスの電気につられて、地表にはプラスの電気が集まってきます。
もし、空気が電気を通す素材でできていたなら、さらっと空気に流れる雷曇の電気だけれど、空気は電気を通さないので、ギリギリまで電気は雲の中にとどまります。

5 .そして、雲の下の方に集まったマイナスの電気と、地表に集まったプラスの電気とが中和しようとして電気が飛んでいきます。

以上のメカニズムを落雷といいます。
地表に落ちずに雲と雲の間で起こる雷も、原理は同じ、静電気の放電。

ちなみに、市販されているマイナスイオン発生器は、この雷と類似の原理を利用しているのだそう。
音はしないけれど、放電を起こしているのです。

雷の正体

雷は、積乱雲という発達した雲で発生します。
積乱雲の中には、非常に強い上昇気流とたくさんの水や氷の粒があります。氷の粒と氷の粒がぶつかると静電気が発生して、積乱雲の中には静電気がたまっていきます。
静電気が雲の中にたまるのは、強い上昇気流によって軽い粒と重い粒が上下に分かれるためです。例えば、軽い粒がプラスの静電気を持って重い粒がマイナスの静電気を持つとすると、雲の上下にプラスとマイナスの
静電気が分かれてたまります。また、雲の下側のマイナスの静電気に引きよせられて、地面にはプラスの静電気が集まってきます。
空気の中は電気が流れにくいのですが、このような仕組みで静電気が大量にたまってくると、耐え切れなくなって激しい光とゴロゴロという音を出しながら電気が流れます。これが雷の正体というわけです。雷は雲と地面の間だけでなく、雲の中でも発生します。

雷の衝撃波

建物が揺れるほどの大音量は、衝撃波が原因です。これはいん石やロケットなど、物体が音速を超えて移動するさいに生じる現象です。音の速さは約340m/秒で「マッハ1」とも呼ばれ、時速に直すと1,200km超ですが、ジェット機でも音速を超えるものは多いです。
もしマッハ2で飛べば、飛行機は音よりも速く進むことになりますが、発せられた音はマッハ1でしか伝わりません。その際にに圧力の差が生まれ、衝撃波を作り出します。

雷が衝撃波を生みだす理由は、
・電気によって空気が押しのけられる
・ごく短時間で3万℃近くまで温められた空気が、爆発的に膨張する
で、なにかが破裂したような爆発音に聞こえるのはこのためです。木や避雷針に落ちたとき、つまり雷がゴールに達した際も衝撃波は発生します。木の下にいると危ないのは、木からはみ出すように伝わる側撃で感電するだけでなく、感電しなくても衝撃波で吹き飛ばされてしまうからです。
もし急に雷が鳴り出したら、
・電柱や木から、4m以上離れる
・木の枝や葉からも、2m以上離れる
・木造住宅の中では、壁や天井から1m以上離れる
電柱や木は、離れすぎると逆効果になるので、「その高さ」までが目安です。鉄筋コンクリートの住宅や、オープンカー以外のクルマ、電車のなかはかなり安全なので、雨やどりも兼ねてバスや電車に乗るのも一手です。
高さ20m以上の建物には避雷針が義務付けられているので、街中ではさほど神経質になる必要はありませんが、山や海、広い公園では、ゴロゴロ鳴り出したらすぐに避難場所を探すのが良いでしょう。

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