オレンジを投げ合うオレンジ祭りとは?
このオレンジは祭りのために生産される特別なもので、食用には向かないもの。すべて祭りの後に回収され、農業用の堆肥に再利用されます。
はじめに
オレンジを投げ合う祭り?
どこかで似たような祭りを聞いたことありますね。
スペインでトマトを投げ合う祭りのトマト祭り(トマティーナ)を思い浮かびますね。しかし、オレンジを投げ合うなんてトマトを投げるより危険な気がしますね。今回はそんなオレンジを投げてしまうオレンジ祭りについて少しですが紹介したいと思います。
オレンジ祭り
西暦1200年ごろ、市民を苦しめていたこの地域の領主への反乱があり、その反乱を記念して行われるようになりました。この祭りは、市民を表す徒歩チームと、領主軍を表す馬車チームに分かれて行います。
両チームがオレンジを投げ合うことになった理由は過去にさかのぼります。
かつて、この祭りでは豆を投げていたそうです。領主が貧しい家庭に対して豆を与えていたものの、人々がよく思わず、そのまま道に投げ捨てていたことに由来します。
それが1800年代になると、ベランダから観覧していた女の子が馬車チームのイケメンに気づいてもらうため花や紙吹雪と一緒にオレンジを投げ、冗談で馬車からもオレンジを投げ返すようになりました。
これが次第に定着し、投げ合うものがオレンジへと変わっていきました。
祭り用のオレンジ
イタリアの有名なお祭りの一つに、「オレンジ合戦(battaglia delle arance)」があります。
北イタリアのピエモンテ州にある、イブレア(Ivrea)にて毎年2月頃に開催されます。
このオレンジは祭りのために生産される特別なもので、食用には向かないもの。すべて祭りの後に回収され、農業用の堆肥に再利用されます。
徒歩チームは9つに分かれており、なんと合計4000人以上が参加!一方の馬車チームは1台に10人ほどが乗った馬車が50台以上が参加。ものすごい数の人々がオレンジを投げ合いますね。
注意
審判もおり、このすさまじい合戦を観察し、かわし方が上手、攻撃が上手…などで点数をつけ、両チームでそれぞれ一番優れていたチームが勝ちとなります。
ちなみに、このチームに参加するには、地元の住民でなければなりません。
観光客たちは転がって来たオレンジを掴んで、どさくさ紛れに投げつけることもできますが、オレンジ打撲にくれぐれもご注意。
戦争に参加していないアピールのためには、会場に入る時にもらえる赤い帽子、フリジア帽(Berretto Frigio)をかぶりましょう。
カルツァ(Calza)という大きな靴下の形をした赤い帽子もあり、会場内で5ユーロ程で売っています。
しかし赤い帽子をかぶっていても、油断はできません!流れ弾には要注意です。
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