「変形性膝関節症」ってどんな病気?

変形性膝関節症とは、大腿骨と脛骨の表面をおおう軟骨が、徐々にすり減ることが原因でひざに痛みが起きたり、動かしにくくなったりする病気です。理由ははっきりしませんが、男性よりも女性のほうが発症しやすいといわれています。

変形性膝関節症はこう進む!

(1)正常な状態
ひざの関節は主に、大腿骨と脛骨から構成されています。この2つの骨の先端はそれぞれ、弾力のある軟骨(コンドロイチン硫酸やコラーゲン繊維など)でおおわれています。この軟骨には、ひざの動きをなめらかにする、衝撃を吸収・分散させるなど、クッションのような役割があります。

(2)変形性膝関節症の初期の症状
加齢や肥満など、いくつかの原因によって軟骨がすり減るにしたがって、骨どうしのすき間が狭くなります。このため、ひざを動かしにくくなったり、痛みが出たりします。

(3)さらに進行すると……
軟骨が徐々にすり減り、最終的にはなくなってしまいます。すると、骨どうしが直接ぶつかり、激しい痛みが生じます。

変形性膝関節症の4つの原因

(1) 加齢:年齢を重ねるにつれて、ひざへの負担が蓄積し、軟骨が徐々にすりへっていきます。

(2) 太ももの筋肉の減少:太ももには「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」という太い4本の筋肉があります。この筋肉には、ひざを動かしたり、ひざ関節にバランスよく体重がかかるように調整したりする役割があります。
運動不足や加齢によって大腿四頭筋が衰えると、ひざへの負荷が大きくなります。ひざが内側に変形したりして、軟骨をすり減らしますが、衰えた大腿四頭筋がその状態をかばいきれず、ひざに痛みが出やすくなります。

(3) 肥満:ひざ関節にかかる負荷は、歩くときは体重の3倍、階段の上り下りではなんと体重の6倍に! 体重が増えれば、それだけひざへの負荷も大きくなってしまいます。

(4) 外力:激しいスポーツなどをすると、ひざに大きな力(外力)が加わります。このような運動を続けると、ひざにくり返し外力が加わり、軟骨が減りやすくなります。

変形性膝関節症になってしまったら?

(1) 体重を減らす
太っている人は、体重を減らすことでひざへの負担が軽くなります。

(2) ひざを温める
保温性のあるサポーターや温熱療法によってひざを温めると、血行が改善され、症状が軽くなります。

(3) つえなどで歩行を助ける
ひざの痛みによって歩きづらい場合は、つえなどを使って歩行時のひざへの負担を軽減します。

(4)サポーターでひざを支える
ひざ関節の動きを助けるサポーターを使うと、ひざの曲げ伸ばしが楽になります。

(5) 脚の筋肉を鍛える
運動によってひざを支える筋肉(大腿四頭筋)を鍛えると、ひざ関節にかかる負担が軽減されて、症状の進行を遅らせることができます。適切な運動を続けると、2~3週間で症状が軽減することもあります。逆に運動しないと筋力が低下して、さらに症状が悪化するという悪循環に陥ります。


●鎮痛薬も選択肢のひとつ

上記の5つの方法を取り入れてみても、ひざの痛みが気になるようであれば、我慢せずに鎮痛薬を使いましょう。薬によって痛みから解放されれば、歩行や運動が楽にできるようになり、心臓や肺、筋肉などの働きを維持できます。
ひざに痛みがあると歩くのがつらくなり、座ったり寝たりするばかりで家に閉じこもりがちに。そうなるとひざには負担がかかりませんが、その代わりに心肺機能が低下したり、体力が落ちて感染症にかかりやすくなったり、さらに筋肉が弱ったりする可能性も。


●早めの受診を

鎮痛薬を使用しても痛みが取れない場合や痛みがくり返す場合、いつもと違う症状を感じた場合には、早めに整形外科を受診しましょう。痛みを我慢し続けていると、痛みが強くなったり慢性化したりすることもあります。

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