はじめに

前回はお風呂について紹介しましたが、今回はお風呂の中に入れる入浴剤について紹介したいと思います。
入浴剤と言えば、香りを加えたり、温泉の様な効能を楽しめるものなどがあり、みなさん一度は経験した事があるのではないのでしょうか?
今回はそんな入浴剤の効果について少しですが紹介したいと思います。

入浴剤とは?

入浴剤の基本的な効果は、入浴そのものによって得られる温浴効果(身体を温める、痛みを和らげる、等)と清浄効果(汚れを落とす、皮膚を清浄にする、 等)を高めることにあり、この考え方を基に、商品に表示あるいは広告できる具体的な効能が医薬品医療機器等法で定められています。

入浴剤の歴史

日本は世界でも有数の温泉国であり、古くから人々は天然の温泉を利用して病気やけがの治療に、健康保持増進にと役立ててきました。又、同様の目的で薬用植物の利用が盛んに行われ、今日まで伝えられています。入浴剤の発生は、これら天然の温泉と薬用植物による薬湯に由来しているものです。
薬用植物を用いた薬湯は、端午の節句の菖蒲湯や、冬至の柚子湯のように古くから庶民のあいだに慣習として受け継がれ、江戸時代には治療を目的としたものがすでに処方化され、皮膚病の治療薬湯などに用いられました。
入浴剤としては、明治中期、種々の生薬を配合し、布袋に入れ煎出して用いる商品が作られたのが初めてです。
その後、種々の効果を持つ温泉(子宝の湯・腫れものの湯・中気の湯・美人の湯など)を温泉地に行かなくても、家庭で簡単に応用できないかという考え方から、当初は天然の温泉成分を乾燥、粉末化したものから始まり、昭和初期に無機塩類入浴剤(ノボピン・バスクリン等)が開発されて発売されました。これらは温泉を構成している成分のうち安全性が高く、効能効果を有し、品質が安定していて、原料としても確保しやすい基剤が選択されました。

効果は

◆保温効果
主に温泉由来の成分(無機塩類)からなる。主な成分は硫酸ナトリウム(芒硝)、硫酸マグネシウムなど、皮膚の蛋白質(アミノ酸)と結合しベールをつくり保温効果を高めます。無機塩類系と言われます。
◆保湿効果
保湿成分を配合した入浴剤は、皮膚の表皮の角質を軟化し、肌をなめらかにする働きとともに、あせも・ひび・あかぎれ等の予防にも効果があります。スキンケア系と言われます。
◆清涼効果
炭酸水素ナトリウム(重曹)の清浄効果と、メントールペパーミントオイルなどの清涼成分で、涼しく入浴。クール系と言われます。
◆清浄効果
お湯に浸かるだけでも清浄効果はあるのですが、入浴剤に含まれる成分、炭酸水素ナトリウム(重曹)、炭酸ナトリウムによって、清浄効果が高まります。
◆リラックス効果
入浴は身体を清潔にする目的だけではなく新陳代謝の促進、保温などの効果にプラスしてリラックス効果があります。リラクセーション効果のある温度は 39℃±1℃の微温浴です。入浴剤の色や香りはリラックス効果を高めます。

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岩永美月

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