体内に入った栄養素は、お互いに助け合いながら、その役割を果たしますが、実はそれぞれの食品に相性があり、うまく組み合わせて、バランスよく栄養素を取り入れれば、それぞれが持つ力以上の効果が得られることになります。
食べ合わせの良い食材を紹介します。

豚肉+タマネギ・ニンニク

豚肉には新陳代謝の促進や疲労回復に役立つビタミンB1が豊富に含まれていますが、ビタミンB1にはストレスを感じると尿中に排泄されるという欠点があります。

その点、タマネギやニンニクに含まれるアリル化合物はビタミンB1と結合して、ビタミンB1単独の時よりも安定して代謝を行うことから、相性が良いとされています。

米+納豆

嫌いな人もいる納豆ですが、ご飯との食べ合わせ抜群です。
米は炭水化物、つまり糖質が多く含まれ、エネルギー源として利用されています。
糖質をエネルギーにするには酵素を使って糖質を分解しますが、酵素が働くには補酵素の助けが必要になります。ビタミンB1は糖質を分解する酵素の、補酵素としての役割を果たしており、ご飯だけを食べているとビタミンB1不足になってしまいます。そこで納豆がお勧め。

納豆の注目すべき点は、原料の大豆が持っている栄養素がほとんど損なわれていない上に、タンパク質などの消化吸収が非常に良く、しかもビタミンB類等が大豆よりも増えていることです。
特にビタミンB2やパントテン酸がたっぷりと含まれており、ともに腸から吸収された糖質の代謝や排泄を助けます。
つまり、これらの栄養分は糖質の代謝・吸収をコントロールすることで、不足しているビタミンB1の消費を抑えてくれるのです。

キュウリ+酢

夏に食べるとさっぱりして美味しい、きゅうりの酢物。
キュウリにはビタミンA・C、血圧調整や利尿作用があるカリウム等のミネラル類を比較的多く含んでいます。

またキュウリに含まれるククルビタミンCという成分に体の腫瘍や潰瘍を治す働きがあることから、中国では漢方薬として利用しています。
しかしキュウリにはアスコルビナーゼという酵素が含まれており、これはビタミンCを破壊してしまう困った一面もあります。
そこでアスコルビナーゼの働きを無害化してくれるのが酢の働きというわけです。

酢には殺菌作用や食欲増進作用があることが知られていますが、アスコルビナーゼのビタミンCを破壊してしまう働きを抑えるのも調味料として見逃せない、一つの特長です。

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中山葵

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