「汗」が出る原因と仕組み

「汗」の出る原因は3種類に分けられ、最も重要なのが、体温調節のための発汗になります。激しい運動の後や入浴後、暑い時に全身から出るような汗で、これを「温熱性発汗」と言います。2つ目は、緊張や不安など、精神的要因による「精神性発汗」で、これは体温の調節とは関係なく出る汗で、手や顔など、局所的に発汗することが多いです。3つ目が「味覚性発汗」と言われるもので、わさびや唐辛子などの刺激物を食べた時に出る汗です。

「汗」が出る仕組みは、脳の視床下部という所が体温調節の判断をして、脳下垂体を経由し自律神経の交感神経を刺激して、汗腺に発汗指令を伝えます。原因が何であれ、最終的に汗腺に発汗指令を伝えるのは、交感神経節末端から分泌されるアセチルコリンという神経伝達物質になります。

食事で出る「味覚性発汗」とは

食事で出る「味覚性発汗」は生理的なもので、口の中の受容器が刺激され、その興奮が交感神経に伝わり発汗するものと考えられています。また人によっては、少しの酸味、柑橘類やチョコレートなどの甘い物でも起こるようです。

しかし、少量であれば生理的な味覚性発汗ですが、異常に汗が出る場合は、「味覚性多汗症」とされます。味覚性多汗症の症状としては、食事をすると顔や鼻に多量の汗をかく、刺激物でなくても汗が出る、食事の度に汗が出るなどの症状があります。

味覚性と精神性発汗が引き起こすと考えられる「味覚性多汗症」

「味覚性多汗症」の原因は、詳しくわかっていないようですが、味覚性発汗に精神性発汗が加わったものと考えられているようです。食べて汗が多量に出ると困るなどの予期不安がある場合、少しの刺激で発汗しやすいと考えられるそうです。この時、ちょっとした味覚性発汗をきっかけとして、精神性発汗を引き起こすというわけです。

味覚性発汗と精神性発汗による「味覚性多汗症」の対策としては、まず自分が汗をかきやすい食べ物を避けることです。精神的要因も大きいので、緊張するような状況での食事を出来るだけ避けるのもよいそうです。

また、食事の時によく噛むことも大切な対策で、精神性発汗の対策には、疲労やストレスを溜めないこと、適度な運動や睡眠など生活リズムを整えることが大切と言われています。症状が重い場合は、心療内科で相談してみると良いでしょう。

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