日本生まれのスーパーフード「高野豆腐」

「高野豆腐」の始まりは主に関西地方の高野山と、信州・東北地方の2つであると言われていて、まず関西地方をルーツとするものは、今からおよそ800年前の鎌倉時代に高野山の僧侶たちが修行中に精進料理として食する豆腐が厳しい寒さの中で凍ってしまい、その際に偶然にできたものと言われています。もう一方の、信州・東北地方などの寒冷地をルーツとするものは、鎌倉時代から厳しい冬の寒さを乗り越える知恵として、豆腐を軒下に吊るして自然乾燥させ凍らせる「凍み豆腐」が保存食になったと言われています。今ではどちらも総称して「高野豆腐」と呼ばれ、優れた栄養素の詰まった日本の伝統食、精進料理として多くの人々に親しまれています。

良質なタンパク質が豊富で、バランスのいい「高野豆腐」

「畑の肉」と言われる大豆を自然の知恵で熟成させることで、大豆以上にパワーが詰まった「高野豆腐」は、数ある大豆製品の中でもとくに健康に良い食材と言われています。良質なタンパク質がたっぷり含まれていて、その量は通常の木綿豆腐と比べると、高野豆腐は約8倍と非常に多くの量が含まれています。タンパク質は、体の細胞を活性化させ、肌や髪を健康に美しくする効果があります。

カルシウムもたっぷり含まれているため骨を丈夫にして骨粗しょう症の予防にもなりますし、ミネラルの働きで貧血予防などの効果も期待できます。さらに脂肪を燃焼させやすいアミノ酸や、炭水化物などがバランス良く含まれているため、「高野豆腐」だけでもある程度必要な栄養素が摂取できてしまうほどの、優秀食材なんです!

栄養豊富で使い勝手もいい「高野豆腐」

「高野豆腐」は長期保存ができる上に高タンパクで低糖質なので、常備しておくと非常に便利な食材。スタンダードな食べ方は、水でもどして、しいたけやにんじんなどと調理する含め煮です。水でもどす前は乾燥していますが、もどしてじっくりと煮ることで、野菜や出汁の味が十分にしみ込み、おいしく味わうことができます。

また最近では水に戻さなくてもそのまま使えるタイプのものも出ているので、忙しい方には細かく刻んでそのままお味噌汁に入れるのも手軽で簡単な上に、体に良いのでおすすめです。

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