休肝日が必要な理由とは

私達の内臓は生まれてから死ぬまで24時間ずっと働き続けてくれていて、肝臓が休む日などないんです。

ありがたいことですね。

肝臓の働きは大きく分けると代謝、解毒、胆汁の生成の三つで、お酒を飲んだときに肝臓で行われるアルコールの分解はこのうちの解毒作用です。

休肝日という用語を広めたのは厚生労働省で、その根拠となったのが一週間に摂取する総アルコール量と飲酒の頻度における死亡率との関係です。

国立がんセンターが4万2千人を対象として行った調査によると、一週間に300g以上のエタノール(エチルアルコール。お酒に含まれているアルコールです。)を摂取していて、休肝日を設けていない(週に5~7日飲む)男性は死亡率が高かったという結果が出たそうです。

その死亡率は一週間に300~449gのエタノールを摂取する男性では、休肝日なしの場合には週に1~2日飲酒する場合に比べて1.5倍、週に450g以上のエタノールを摂取する場合には1.8倍も高くなったとのことです。

対象人数が4万2千人、そのうち飲酒習慣がある人が3万2千人もいたのでこの数値は信頼できるものです。

一週間に300g以上のエタノールを休肝日なしで摂取すると肝臓の負担が増え、その結果として脂肪肝や肝炎などになりやすくなって死亡率が高くなるため、休肝日が必要になるということですね。

休肝日についての誤解

言葉が独り歩きしてしまって、休肝日は「お酒を飲まない日を設ければ良い」とだけ理解している人が多いみたいです。

休肝日というのはあくまでも

適量以上の飲酒をする人
毎日飲酒している人
この二つのどちらにも当てはまる人の総飲酒量を下げるために提唱されていることで、適量の飲酒を守れない人のために「それなら飲む日数を減らしましょう」というのが休肝日の趣旨です。

適量以下の飲酒に抑えている人に休肝日は必要ありません。

「休肝日は総飲酒量を減らすためのもの」ということを理解することが必要なんですね。

また、休肝日を取ったからと言って次の日にガバガバと飲んでしまえば元も子もありません。

そんなことをすれば急性アルコール中毒になりかねませんし、肝臓のアルコール分解の処理能力を超えてしまい、肝臓だけでなくて身体中の臓器が障害を受けてしまいます。



それに、肝臓の負担となるのはアルコールだけではありません。

食べ過ぎによるカロリー過多も中性脂肪が肝臓に貯まる原因となり、さらに脂肪肝へと進行しかねません。

休肝日で口が寂しいからと食べ過ぎてしまうのは禁物です。



アルコール飲料はけっこうなカロリーがあり、グラス2杯のワインは1杯のご飯とほぼ同じのカロリーがあります。

350mlの缶ビールはそれより少し少ないのですけど、お酒を飲んでいるときには総摂取カロリーのことも考えなければいけませんね。

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