「眼精疲労」に有効な成分とは?
がががが眼精疲労
パソコンやスマートフォンなどの普及によって、眼精疲労で悩んでいる人が増えています。平成20年に厚生労働省が行った調査では、コンピューター機器を使用している労働者で「身体的な疲労や症状がある」と答えた人が68.6%。そのうち、「目の疲れや痛みがある」と答えた人は90.8%にも上ります。毎日、目を酷使する現代社会においては、多くの人が何かしらの目の悩みを抱えているのです。
眼精疲労は単純に目の酷使も原因としてあるのですが、それとは別に睡眠不足やストレスも不調の原因として挙げられます。目の不調は、内側からも改善することができます。そこで、目の不調を改善するのに効果があるといわれている成分を紹介します。
アスタキサンチン
人間がモノを見る時は、眼球の周りの筋肉によって水晶体の厚みを変えることでピントを調節しています。目を使い過ぎると、筋肉が疲労するため、ピント調節がうまくできなくなってしまいます。この状態を眼精疲労といいます。
アスタキサンチンが眼精疲労改善に効果的である、という報告は数多く存在します。例えば、富山医科薬科大学眼科が行った試験によると、アスタキサンチン5mgを1ヵ月摂取したところ、被験者のピント調節力が改善したそうです。また、アスタキサンチンは、白内障や網膜症などの紫外線のダメージから来るトラブルを防ぐ効果も期待されています。
アスタキサンチンは、天然の赤い色素でサケやエビ、カニなどの魚介類に多く含まれます。ただし、マグロやカツオなどの赤身魚には、アスタキサンチンを含みません。基本的に加熱すると鮮やかな赤色になる魚介類にはアスタキサンチンを多く含むと覚えておきましょう。
DHA(ドコサヘキサエン酸)
目の網膜にはDHAがたくさん含まれています。この網膜は、外部からの視覚的情報を脳に正しく伝える役割を果たしています。目にとっては、大変重要な部分です。ですから、DHAをしっかり摂取することは、目の機能を正常に保つことに繋がるのです。
このDHAが目に与える影響を示した実験があります。DHAを含む飼料で育ったサルと含まない飼料で育ったサルを2世代に渡って試験を行ったところ、生後4週、8週、12週の視力測定で、DHAが不足しているサルの方に視力が劣っていたそうです。
(Food Style 21 2002.2 Vo.l. 6 No.2)
DHAを多く含む食材の代表は、やはり魚です。魚の中でもイワシやサバなどの青魚には特に多く含まれています。DHAは脂に含まれているので、脂肪の多い魚を摂るといいでしょう。手軽に摂取できるので、調理加工済みの缶詰もオススメです。
ビタミンB群
現代人の悩みでもある「眼精疲労」に効果的といわれているのが、ビタミンB群です。目の粘膜や末梢神経を正常に保ち、目の疲れを解消するはたらきがあります。
なかでもビタミンB1は、神経や筋肉の組織に作用し、肉体疲労、眼精疲労などを改善してくれます。この成分が欠乏すると、眼球運動などに影響が出てきます。そのほかにもビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12など、ビタミンB群は全般的に目の疲労を改善するのに効果的であるといわれています。
昔の日本人は、毎日ビタミンB1をしっかり摂取していました。なぜなら、日本人の主食である米のぬかには多くのビタミンB1が含まれているからです。以前は、この部分も含めて食べていたのですが、現在ではキレイにぬかの部分が取り除かれているため、ここから摂取することはほとんどなくなってしまったのです。ビタミンB1を多く含む食品としては、豚肉や胚芽米や玄米などが挙げられます。ビタミンB2はうなぎやレバー、ビタミンB6はバナナやマグロ、ビタミンB12は鶏レバーや牛乳に多く含まれています。
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