「栗」には小さいながらも豊富な栄養が含まれていて、中でも、人間の身体が必要とするミネラルの中でも重要と言われている“カリウム”が豊富です。カリウムは、体の水分バランスを保つ働きがあり、浸透圧を調節してくれるので、ナトリウムとのバランスが大切だと言われています。一般的な食事ではナトリウムの摂取が多くなる傾向があり、カリウムは不足することが多いと言われているので、カリウムは積極的にとる必要があります。

食事で多く摂りがちなナトリウムがほとんどなく、不足しがちなカリウムが多く含まれている「栗」は、カリウム不足の方にオススメな食材です。カリウムは体内にある不要なナトリウムを排出してくれる働きがあるので、高血圧の予防にも役立ちます。

また「栗」に多く含まれている“タンニン”には、ガン予防の効果があります。抗酸化作用があるため、活性酸素を除去する働きがあり、生活習慣病の予防にもなると言われていますので、生活習慣が悪い人は、渋皮も食べるのがオススメです。

さらに近年注目されている栄養素の一つでもある“亜鉛”も豊富です。亜鉛は不足すると味覚障害を引き起こしたり、抜け毛を引き起こします。子供が亜鉛不足になると成長障害を起こしたりしますので、気をつけましょう。

「栗」には、皮膚のシワやシミに働きかける“ビタミンC”が多く含まれています。しかも、栗の実の部分に含まれているでんぷん質が、ビタミンCを保護する役目を果たすため、加熱調理をしてもビタミンCが壊れにくいのが特長です。ビタミンCは、夏に日焼けをした肌・乾燥した肌を保湿するのに最高な栄養でもあります。

特に注目してほしい部分は、皮の部分です。栗の皮の部分には、渋みがある為、取り除いて食べてる方が多いですが、この渋皮の部分にこそ、タンニンという成分が含まれています。抗酸化作用の強いタンニンは、ポリフェノールの一種でもあり、お茶やワインなどにも含まれる成分のひとつでもありますので、老化を引き起こす活性酸素を除去したり、皮膚の保護作用があるため、食事で出来るアンチエイジングケアとして効果が見られます。また、栗の成分である、タンニンはシミの原因となるメラニンを抑制する作用があるため、美白を目指す方は皮の部分を意識して摂るようにしましょう。

「栗」には、豊富に“食物繊維”が含まれていて、意外にも、さつまいもよりも食物繊維が多く含まれていて、ダイエットの効果が期待できます。食物繊維は、人の体内では消化されない栄養素なので、腸内のぜん動運動を促すだけでなく、善玉菌のエサとなり、悪玉菌を減らしてくれる効果があります。

便秘になると、腸内細菌にとって悪い影響を与えてしまい、悪玉菌が増殖し、発がん物質や発がん促進物質などの有害物質を発生させます。また便秘が続くと、その有害物質が腸壁から吸収されて、血液中に流れ出し、肌荒れなどの原因にもなりますので、便秘になりやすい方は、食物繊維が多い栗はオススメの食材なんです。