奇跡の野菜と呼ばれれる「ビーツ」

「ビーツ」と聞いてもピンとこない方も多いと思いますが、“飲む天然輸血”や“奇跡の野菜”と言われるほど栄養豊富な野菜なんです。主にロシアの伝統料理「ボルシチ」に色付けとしてよく使われている“赤いカブ”がそれです。

原産は地中海沿岸の西洋野菜で、日本では“火焔菜(かえんさい)”と呼ばれています。

ビーツが豊富に含む「一酸化窒素」の効果

「ビーツ」が野菜なのに“飲む輸血”と言われているのは、リン、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、鉄、カルシウムなど、ミネラルが豊富に含まれていることに加え、“NO(エヌオー)”という「一酸化窒素」を豊富に含んでいるためです。

ビーツが注目され始めたのは、硝酸塩を多く含んでいたことからでしたが、硝酸塩はいわゆる“灰汁(あく)”のことで、野菜のえぐみ成分となるものです。これまで硝酸塩は多くとり過ぎると体内で毒素になる言われてきましたが、近年の研究で「一酸化窒素」を作り出す手助けをする物質であることが分かりました。

「一酸化窒素」は血液の流れをよくするだけでなく、血管自体の筋肉をしなやかにして拡張させる作用があり、脳卒中や心臓病の原因となる血栓を予防する働きがあります。さらには、血流量を増やして体内の酸素が効率よく使われる手助けをする働きがあるため、筋肉増強効果や持久力のアップが期待できるだけでなく、疲労回復効果も期待されています。また、血流量が増え、全身の血行がよくなれば、基礎代謝率も高まり、ダイエットの効果も期待できます。

「一酸化窒素」は体内で作られますが、年齢と共に生産量が下降してしまいます。それを補うために硝酸塩が必要になるようです。

他にも驚きの効果が盛りだくさん!

ビーツには、天然のオリゴ糖や食物繊維が含まれているので、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌の働きを抑制するだけでなく、老廃物やコレステロールを体外に排泄する働きがあります。 便秘や下痢気味の方は、積極的に摂るようにするとよいでしょう。

また、ビーツが含む「ベタイン」という成分には、肝臓の機能を高めたり、肝臓に脂肪がつきにくくする働きがあるため、肝硬変や脂肪肝を予防する働きがあると言われています。そして、ビーツの赤い色素成分である「ベタシアニン」には、強い抗酸化力があるため、がんを予防する働きがあるとも言われているなど驚きの効果が盛りだくさんの野菜なんですね。

日本では、身近で見かける野菜ではありませんが、最近では赤ビーツを100%含んだジュースなども販売されているので、ビーツを効率よく摂りたい方は試してみましょう。

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