かつては、日本でもよく目にしたといわれる幻のくだもの「ポポー」。今回は、そんなポポーの秘密を、みなさんにご紹介します!

日本中の庭にもあった?幻の果物「ポポー」

みなさんは、近ごろ注目されてきた秋のフルーツ「ポポー」をご存知ですか?
アケビに似た優しく丸みを帯びた形と、かわいらしい響きを名前に持つポポーは、そのビジュアルから和名を「アケビガキ」というそうです。
また、英語で「Pawpaw」と表記することから「ポーポー」と呼ばれることもあります。

春には紫色の花をつけ、実が食べられるほどの大きさになるのは9~10月と、秋にフルーツと成っています。

ポポーの味は?

ポポーは、トロピカルフルーツのような強く甘い芳香で、味はバナナやマンゴーを思わせる強い甘さとなめらかな食感、柿に似た種や色味わいも特徴です。

『森のカスタードクリーム』と言われたりもしております、独特の味はなかなか表現するのは難しいですが、似た味にさなざまなフルーツの名前をあげる人が多く、トロピカルフルーツの代表、パイナップルを連想する人もいるようですよ。

また、ポポーは寒暖に強く、殺虫成分があるため害虫も寄せ付けないので、たいへん育てやすい植物として有名です。
北アメリカでは先住民の時代から長く愛されてきた果物だそうですが、日本でも実は明治のころには庭木として親しまれてきたようです。
ポポーの実は収穫して2、3日も経つとすぐに皮が黒ずんで変色し、見ためが汚くなってしまいます。それがひとつの原因で、残念ながら日本の流通にはのらず、徐々に消えてしまったフルーツなのだとか。
でも、皮の色は変わっても、中の実には影響はないので、黒くなってしまったあとでもおいしくいただけるそうですよ。

戦中戦後のバナナの輸入が難しかった時代には、バナナの代わりに重宝されたとのことです。濃厚でクリーミーなボリュームが、栄養価の高いバナナの食べ応えと同じ役割を担ったのかも知れませんね。

出会えたらラッキー!!!

ポポーは収穫時期が短く、落果するとすぐに追熟して日持ちがしないので、残念ながら流通には適していません。
いわば、地産地消に適したフルーツだったため、自生したものは地元で食されてきたようです。
よく聞けば「実家にある」とか、「子どもの頃はよく食べた」という人も多いのだそう。地方の方に聞いてみると案外ご存じかもしれませんよ。

食べ方としては、2つに切ってスプーンですくって食べるのが基本ですが、最近はポポーの美味しさを知ってもらおうと、自生していたポポーを加工し、町おこしにしている町や村も増えてきました。過疎の町がポポーで大騒ぎになったという例もあります。
今では、スムージー、ムース、アイスクリーム、ジェラート、プリンなど、加工した商品が多く出まわるようになり、美味しさと珍しさで地方では話題沸騰中です。

前述のようにポポーは、一般的なスーパーなどでは流通していませんが、最近は直売所などで見かけることも増えてきました。ポポーの旬は通常9月~10月。寒さや害虫に強いので日本列島のどこでも栽培が可能ですので、旬の時期に出会えたらラッキーかも
生で食べるほか、軽く冷凍してフルーツシャーベットとして食べるのもオススメです。
食べたことのない食材にアプローチするのは、ちょっとドキドキでわくわくしませんか?新しい発見を求めて、もし見かけたらぜひトライしてみてくださいね。