サッカーのオーバーエイジとは

オーバーエイジとは、オリンピックの男子サッカーのみに存在する競技の出場資格に関するルールです。

オリンピックの男子サッカーにおける出場資格には、「本大会開催前の12月31日時点で23歳未満」という年齢制限があります。

この規定と同時に、オリンピックでは24歳以上の選手を3名使えるという特別ルールが存在します。この24歳以上の選手を「オーバーエイジ」と言います。

オーバーエイジは女子サッカーにはなく、男子サッカーのみにある規定で、オーバーエイジの選手を必ず起用しなければならないという条件はないので、登録メンバーを全員23歳以下にすることも可能です。

国際サッカー連盟(FIFA)が主催する大会などでは登録選手の上限は23名が一般的ですが、オリンピックでは18名しかエントリーできません。そのため、オーバーエイジの選手を何人起用するかや誰を登録するかなどは監督の手腕にかかっていると言えます。

なぜオーバーエイジが導入されるようになったのか

オーバーエイジが導入されたのは1996年のアトランタオリンピックです。

国際オリンピック連盟(IOC)はオリンピックは勝つことよりも参加すること自体に意義があるという意見を持っていました。そのため、当時のオリンピックには勝利意欲の強いプロ選手ではなくアマチュア選手にしか参加資格がありませんでした。

しかし、多くのプロスポーツで人気が出てくると、観戦する側もスリリングのある駆け引きや勝敗にこだわるプロのプレーが見たいと思う人が増えたため、IOCもオリンピックを存続し、大会のイメージアップのためにもプロの参加を認めたのです。

1974年には、オリンピック憲章から「アマチュア」の言葉が削除され、サッカーでも1984年のロサンゼルスオリンピックからプロ選手の出場が認めらました。

しかし、ワールドカップを主催するFIFAは、プロ選手がオリンピックに参加することは、「真のサッカー世界一を決める大会」としてのワールドカップの権威、プレミア感をそこなうと判断したため、IOCの意見とFIFAの意見の折衷案として生まれたのが「23歳以下」という年齢制限を設けるオーバーエイジでした。

オーバーエイジが始まった背景には、IOCとFIFAのオリンピックに対する考え方の違いがあったと考えられます。

オーバーエイジ制度が導入されたことで、メンバー選考の候補が増え、ファンにとってもより幅広い層の選手のプレーも見られるチャンスが増えたというメリットも挙げられます。

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