野球の「守備妨害」とは

守備妨害とは、野手が守備や送球するところを邪魔することで、英語で妨害の意味を持つインターフェアとも呼ばれます。

野手が、打球や送球を処理するときに攻撃側チームに邪魔された場合、ルール違反になり審判員が試合を止め、ペナルティで原則バッターはアウト・ランナーはアウトか元にいた塁に戻され試合再開します。審判員や観客、ボールボーイ他球場内にいる人全員が守備妨害の対象です。

守備妨害のルール

守備妨害のルールは、野手が打球や送球を処理したり送球したりするところを邪魔された場合に違反となり、妨害した人に対してペナルティが課せられます。審判員がタイムをかけプレーを止めることをボールデッドと言いますが、守備妨害が発生したら原則ボールデッドです。

攻撃側チームが守備妨害した場合は、原則打者はアウト・走者はアウトか元にいた塁に戻されますが、攻撃側チーム以外の場合は、妨害がなかった場合を想定し審判員が判断して処置します。

守備妨害になる条件

バッターによる守備妨害

バッターによる守備妨害のケースは、主に4つ。

①本塁で野手の守備を妨害した場合
ランナーが3塁にいて本塁に向かうとき、バッターが本塁の守備を妨害した場合はノーアウトか1アウトならランナーアウト、2アウトならバッターアウトでどちらにしても得点は認められません。バッターが、スクイズを無理にするときに起こりやすいケースです。

ペナルティは
・ノーアウトか1アウトはランナーアウト
・2アウトはバッターアウト

②バットを投げてフェアゾーンの守備を妨害した場合
バッターが、手をすべらせバット全体を飛ばしてしまいフェアゾーンでの守備を妨害した場合は、故意でも故意ではなくてもバッターアウトです。バットが折れ、バットの一部が飛んで守備の邪魔になった場合は、守備妨害ではなくプレー続行です。

ペナルティは
・バット全体はバッターアウト
・バットの折れた一部はペナルティなし

③キャッチャーの送球を妨害した場合
キャッチャーが、盗塁を試みたランナーをアウトにしようとしたり、ランナーをけん制したり、ピッチャーに返球したりする送球をバッターが妨害した場合は、バッターアウトでランナーは元の塁に戻されます。バッターが故意ではなくキャッチャーの前にいて邪魔になるケースが多いです。

キャッチャーの送球妨害は、例外があるため注意が必要です。

ペナルティは
・バッターはアウト
・ランナーは元の塁に戻る

④キャッチャーの守備を妨害した場合
キャッチャーが、打球を追ったり捕球しようとしたりするのをバッターが妨害した場合は、バッターはアウト、ランナーは元の塁に戻されます。バッターが、バントやスクイズをするケースで起こりやすくなります。

ペナルティは
・バッターはアウト
・ランナーは元の塁に戻る

バッターランナーによる守備妨害

バッターランナーとは、特にバッターがフェアボールを打つか四球他で1塁に向かうランナーのことです。バッターランナーによる守備妨害は、主に3つ。

①ファウルゾーンの打球を故意に動かした場合
ファウルと確定されていない打球をどのような方法でも故意に動かした場合は、守備妨害になりバッターランナーアウトでランナーの進塁は認められません。避けたけども触れてしまった場合他、故意でなければファウルです。

ペナルティは
・バッターランナーはアウト
・ランナーは元の塁に戻る

②併殺を阻止するために妨害した場合
バッターランナーが、併殺を阻止しようと故意に打球に触れたり、野手が打球の処理をすることを妨害したりした場合は悪質な守備妨害と判断され、バッターランナーはアウト、本塁に一番近いランナーもアウト、他のランナーは元に戻されます。

ペナルティは
・バッターランナーはアウト
・本塁に一番近いランナーはアウト
・他のランナーは元の塁に戻る

③スリーフットレーンを外れて走行し守備を妨害した場合
バッターランナーは、スリーフットレーンを外れて走行し1塁への送球を妨害した場合は、アウトになり他のランナーは元の塁に戻されます。ただし、野手が打球の処理をするところを避けるためにスリーフットレーンを外れて走行した場合は、妨害が認められません。

スリーフットレーンとは、ファウルラインとスリーフットラインの間のことで3足分=3フィート=約91.4㎝ の守備妨害しないために作られた正しい走路のことです。

ペナルティは
・バッターランナーはアウト
・ランナーは元の塁に戻る

ランナーによる守備妨害

ランナーによランナーによる守備妨害のケースは主に6つ。

①ファウルゾーンの打球を故意に動かした場合
バッタランナーと同じでランナーも、ファウルと確定されていない打球をどのような方法でも故意に動かした場合は、守備妨害になりランナーアウトでランナーの進塁は認められません。避けたけども触れてしまった場合他、故意でなければファウルです。

ペナルティ
・妨害したランナーはアウト
・他のランナーは元の塁に戻る

②併殺を阻止するために妨害した場合
バッターランナーと同じくランナーも、併殺を阻止しようと故意に打球に触れたり、野手が打球の処理をすることを妨害したりした場合は悪質な守備妨害と判断され、妨害したランナーはアウト、バッターランナーもアウト、他のランナーは元に戻されます。

ペナルティ
・妨害したランナーはアウト
・バッターランナーもアウト
・他のランナーは元の塁に戻る

③打球を処理している野手を妨害した場合
ランナーが、打球を処理している野手を避けずに触れた場合は守備妨害でアウトになり、他のランナーも元の塁に戻されます。野球は、守備をしている野手が優先されます。

ペナルティ
・妨害したランナーはアウト
・他のランナーは元の塁に戻る


④野手の送球を故意に妨害した場合
ランナーが、故意に野手が送球するところを手や腕で邪魔したり、送球したボールを手や体に当ててコースを変えたりした場合は守備妨害でアウトになり、他のランナーは元の塁に戻されます。

ペナルティ
・妨害したランナーはアウト
・他のランナーは元の塁に戻る


⑤フェアゾーンでフェアボールに当たった場合
ランナーが、フェアゾーンで内野手に一度も触れていないフェアボールに当たった場合は守備妨害でアウトになり、他のランナーはフェアボールが当たった時点の塁に戻されます。フェアボールとは、バッターがフェアゾーンに打った打球のことです。

フェアゾーンでフェアボールに当たった場合の規定は、例外があり注意が必要です。

ペナルティ
・妨害したランナーはアウト
・他のランナーは妨害した時点での塁に戻される

⑤正しいスライディングをせずに併殺を阻止した場合
ランナーが、正しいスライディングをせずに野手に触れたり触れようとしたりして併殺を阻止した場合は、悪質な守備妨害になりランナーもバッターランナーもアウト、他のランナーは元の塁に戻されます。

ペナルティ
・妨害したランナーはアウト
・バッターランナーもアウト
・他のランナーは元の塁に戻る

その他の攻撃側プレイヤーの守備妨害

その他の攻撃側プレイヤーとは、ネクストバッターズサークルにいる次のバッター、練習しているピッチャー、ベースコーチ、ベンチ内にいる選手他のことで主に6つのケースがあります。

①アウトになるか得点したプレイヤーが妨害した場合
アウトになったバッターやランナー、ホームインして得点したランナーが、他のランナーを助けるために野手の守備や送球を妨害した場合は、妨害して助けたランナーはアウト、複数のランナーがいる場合は、本塁に一番近いランナーがアウトです。

ペナルティ
・妨害して助けたランナーはアウト
・複数の場合本塁に一番近いランナーがアウト

②野手を惑わして守備を困難にした場合
その他の攻撃側プレイヤーが、ベースの近くに立ったり集まったりして野手を惑わしランナーを助けた場合は、助けたランナーはアウト、他のランナーは元の塁に戻されます。

ペナルティ
・助けたランナーはアウト
・他のランナーは元の塁に戻る

③ベースコーチがランナーに触れて助けた場合
ベースコーチが、ランナーの体に触れて走行を助けた場合は助けたランナーはアウトです。起こりやすい場面は、ベースコーチがストップを指示しているがランナーが勢いで3塁からホームに向かっていきそうなときに、ベースコーチがあわててランナーの体に触れて止めてしまうときです。

ペナルティ
・助けたランナーはアウト
・他のランナーは元の塁に戻る


④ベースコーチが野手の送球を誘った場合
ランナーが3塁にいるときに、ベースコーチがコーチボックスを出てランナーみたいに急に走りだしたり、他の動作をしたりして野手の送球を誘った場合は、3塁ランナーはアウトです。

ペナルティ
・3塁ランナーはアウト
・他のランナーは元の塁に戻る

⑤ベースコーチが故意に送球を妨害した場合
ベースコーチが、ランナーをセーフにするために故意に送球を妨害した場合はランナーアウトです。ただし、偶然に送球がベースコーチに当たった場合は守備妨害にならずにプレー続行です。

ペナルティ
・守備の対象になったランナーはアウト
・他のランナーは元の塁に戻る

⑥野手の守備を場所を譲らずに妨害した場合
すべての攻撃側プレイヤーは、野手が打球や送球を処理をするための場所を譲らなくてはいけません。場所を譲らなければ守備妨害になり、守備の対象になったバッターやランナーはアウトです。ファウルフライを野手が追う場面で起こりやすい守備妨害です。

打球処理時のペナルティ
・守備の対象になったバッターはアウト
・ランナーは投球時にいた塁に戻る

送球処理時のペナルティ
・守備の対象になったランナーはアウト
・他のランナーは妨害時にいた塁に戻る

審判員の守備妨害

審判員の守備妨害は2つのケースがあります。

①フェアゾーンでフェアボールに当たった場合
審判員も、ランナーと同じく内野手に一度も触れていないフェアゾーンでフェアボールに当たった場合は守備妨害になります。バッターは、1塁に進塁し1塁ランナーがいた場合は各ランナー進塁します。審判員は、2塁塁審だけフェアゾーンに立っているため2塁塁審のみフェアボールに当たります。

ランナーと同じく審判員も、フェアゾーンでフェアボールに当たった場合の規定は例外があり注意が必要です。

守備妨害の処置
・バッターは1塁に進塁
・1塁にランナーがいた場合は各々進塁

②キャッチャーの送球を妨害した場合
キャッチャーが送球するときに、球審のプロテクター他に触れた場合は守備妨害になり、すべてのランナーは元の塁に戻されます。バッターと同じくキャッチャーの送球妨害には、例外があり注意が必要です。

守備妨害の処置
・すべてのランナーは元の塁に戻る

観客の守備妨害

観客が、スタンドから手をのばして打球を捕ろうとし野手の守備を妨害してしまう場合です。近年、グラウンドに近い目線で臨場感を楽しむめにフィールドシートを設置し、選手のプレーを目の前で見れますが、妨害する可能性も高くなったと言えるので注意しましょう。

①観客が野手の守備を妨害した場合
観客が、打球や送球を処理しようとしている野手を妨害した場合は、審判員が妨害していなかったらどうなったのか判断して処置します。選手が、スタンドに入るボールをスタンドに手や体を入れて捕球するのを妨害した場合は、守備妨害になりません。

守備妨害の処置
・審判員が妨害がなかった場合を考え処置

その他の球場内にいる人が守備を妨害した場合

その他の球場内にいる人が、故意にフェアボールに触れた場合は守備妨害になり審判員が触れなかったらどうなったのか考え処置します。 意識しなくて、ボールを拾い上げたり、蹴ったり、押し戻したりした場合は故意と判断されます。

フェアボールを避けたが、避けきれずに当たった場合は故意とは認められず守備妨害になりません。

守備妨害の処置
・審判員が妨害がなかった場合を考え処置

守備妨害にならない例外もあります!

守備妨害には、妨害に当たらない例外のケースが主に2つあります。ランナーや審判員が、フェアゾーンでフェアボールに当たったケースでは、当たっても守備妨害にならないケースがあります。

バッターや球審がキャッチャーの送球を妨害したケースでは、妨害してもバッターがアウトにならないケースやランナーがアウトになるケースがあるので注意も必要です。

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