はじめに

野沢菜は長野県の野沢温泉村で作られてきたことからその名が付いた漬け菜で、野沢温泉村だけでなく、その周辺で広く栽培されるようになったこともあり、「信州菜(シンシュウナ)」とも呼ばれています。この地方特産で、日本三大漬物の一つとも言われる「野沢菜漬け」の原料として知られています。野沢菜の特徴として漬物用に栽培され、成長した野沢菜は大きいものだと1m程の丈にもなります。葉柄の出方はカブやダイコンと同じで、根元から放射状に葉柄を伸ばします。いくつかの品種があるようで、葉の形はダイコンとカブを足して割ったような深い切れ込みが見られるものもありますが、多くはカブの葉に近い感じです。根元には小さなカブ状の根が付いており、若いうちはこれも食べることが出来ますが、葉柄が大きく成長したものは固くなります。そのため、漬物用には根を残して葉柄の部分だけが収穫されます。その残った根からは翌春新しい芽が伸び、これも「とうたち菜」として食用にされます。

選び方と保存方法

①選び方
葉先までシャキッとしているものを選びましょう。また、柄の部分に艶があるものが良いです。漬物にした時、最も美味しいのはこの柄の部分で、蕪の付け根から拳1握りから2握り辺りまでと言われています。
背丈が70~90cmにも育ったものは漬物用で、調理するには葉柄が固いので、調理用には30~40cm程の小さなものを選びます。そういったものであれば根の部分も食べることが出来ます。

②保存方法
漬物用の場合は大きいので冷蔵庫には入りません。濡れた新聞紙などにくるんで凍らない暖房を入れていない室内においておきましょう。調理用のものはすぐに使わない場合はやはり濡らした新聞紙などにくるみ、袋に入れて冷蔵庫の野菜庫に入れておきます。いずれにしても、なるべく早く塩漬けや調理するようにしましょう。

栄養と効果

①食物繊維
野沢菜は、良質な食物繊維を含んでいます。食物繊維はヒトに必要な第6の栄養素にも数えられるほど、素晴らしい効能を持ちます。食物繊維の代表的な効能は、腸のぜん動運動を促がして腸の動きを活発にさせるため、便秘解消に効果があります。また、コレステロールの吸収を抑制する効果もあり、糖尿病や脂質異常症といった生活習慣病を予防してくれます。

②βカロテン
β-カロテンには、抗酸化作用があり、体内で過剰に発生した活性酸素を除去する効能があり、動脈硬化などの生活習慣病を防ぐ働きがあります。また、βカロテンは、必要に応じて体内でビタミンAとしても働くため、目の健康の維持や美肌にも効果があります。ちなみに、ビタミンAには目の健康を守る効果、皮膚や粘膜を正常に保つ働き、老化を防止する効能などがあります。

③ビタミンK
ビタミンKは、カルシウムが骨に沈着するのに必要なタンパク質を活性化する効能があり、骨代謝の調整や骨形成の促進など、骨の健康維持に重要な役割を担っています。そのほか、血液を正常に固める働きもあり、出血時の止血をしてくれます。

④ビタミンC
ビタミンCはカラダの老化を防ぐ、アンチエイジング効果がある栄養です。強い抗酸化作用が老化の原因となる活性酸素を除去する効能があります。また、ビタミンCはストレス対策にも効果があり、副腎皮質ホルモンの合成を促して、ストレスに対抗するカラダを作ります。なお、ビタミンCは体内で蓄積できない栄養です。約400mgで飽和状態になりますので野沢菜や果物などでこまめにビタミンCを摂取しましょう。

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