七柱の福の神「七福神」が、現在のような形で人々に定着したのは江戸時代中頃。
浮世絵にも宝船に乗った七福神が描かれ、正月には初詣でを兼ねての七福神詣でが庶民の間で盛んに行われてきました。
そんな七福神を紹介していくシリーズです。
今回は寿老人様です。

南極星の化身『寿老人』

中国の道教の神で南極星の化身。
白髪に頭巾、自く長い髭をたくわえ、経典をつけた杖と桃を持つ姿で描かれる。
鹿を伴って描かれることも多い。
桃も鹿も長寿の象徴とされ、健康、長寿を授ける仙人だ。

ご利益は長寿延命、諸病平癒、富貴繁栄、子孫繁栄など。「元気で長生き」という現代に求められるテーマにぴったりの神。

南極星がポイント

中国や日本では南極星はめったに見られません。
その星は、限られた時期にだけ地平線の近くに現われるのである。

そのため古代中国では、南極星の出現は、きわめてめでたい出来事と考えられた。
紀元前97年に成立した中国最古の歴史書である『史記』に、次のような興味深い記事がある。
「地平線近くに南極老人という大きな星があり、この星が現われた時は天下泰平となる。この星が現われないと、兵乱が起こる」というのである。
しかし南極星が見えない期間の方がはるかに長いのであるから、その間ずっと戦乱が続いたわけではあるまい。

『史記』と同じ頃成立した『元命芭』という予言書に、「老人星が人びとの寿命を支配する」と記されている。
中国の皇帝は、古くから南極星は国家の安泰や皇帝の寿命をつかさどる星だと考えていた。
そのため古代中国の皇帝は、寿生祠などと呼ばれる祠堂や祭壇を設けさせて、役人に南極星を祭らせた。

寿老人が日本で馴染みがない理由

寿老人を主祭神とする神社は、日本に一つもみられない。
室町時代に中国文化にあこがれる禅僧が、福禄寿と寿老人の信仰を取り入れた。

しかしこの中国人に人気のあった二柱の神様は、日本では禅寺の外にはほとんど広まらなかった。
そのため七福神巡りの時に、寺院が本尊とは別に祭る福禄寿像や寿老人像を拝むことが多い。

寿老人は杖を持ち、杖に巻物をぶら下げている姿に描かれることが多い。
この巻物は「司命の巻」と呼ばれる一人一人の人間の寿命を記したものだといわれている。

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