はじめに

ノコギリヤシは、身の回りに存在する植物ではないため、どういうものかピンとこないかもしれませんが、サプリメントなどではよく知られているので、名前は聞いたことがあるという人は多いのではないでしょうか。日本ではまだ、どういう成分のものなのか詳しく知っている人は少ないかもしれませんが、アメリカやヨーロッパ諸国では、中高年男性の健康に役立つ成分として人気があり、広く知られているものなのです。男性の健康維持におすすめの成分なのでまとめてみました。

ノコギリヤシとは

ノコギリヤシは、別名ソーパルメット(saw palmetto)と呼ばれています。
北アメリカから中南米にかけて自生する高さ2〜3mほどのヤシ科の植物で、ノコギリ状の尖った葉を持つことにちなんで名前がつけられました。夏にクリーム色の花を咲かせ、秋の終わりから冬にかけてオリーブの実ほどの大きさの赤い実をつけます。その果実は油分をたっぷり含み、先住民の伝統食や植物油、ランプの燃料として利用されていました。ノコギリヤシの果実を初めて使うようになったのは、現地の先住民たちです。
一説によると、その実を食べた馬の毛並みがあまりにも美しかったことから、民間療法薬として伝承されるようになったといいます。19世紀に入り、アメリカに渡ってきたヨーロッパからの移民がその話を聞きつけ、母国へ持ち帰ったことで、ノコギリヤシの本格的な研究が始まります。ノコギリヤシには、脂肪酸ステロール類、オレイン酸が多く含まれ、そのさまざまな効果が注目されています。その中でも、悪玉男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)の抑制作用は知られています。ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、スウェーデン、ベルギー、ハンガリーでは、医薬品として承認されていますが、日本ではノコギリヤシの果実エキスをサプリメントにして市販されています。ノコギリヤシは亜鉛と相性がよく、一緒に摂ることがすすめられていますが、この二つを併用すると、より効果が得られるというような医療的な根拠は未だ証明されていません。ヨーロッパ諸国では、医薬品として取り扱われていることや飲み合わせ、過剰摂取・副作用も考えられるということを理解して、正しく使用していくのが良いでしょう。

効果

ノコギリヤシは、オレイン酸・ラウリン酸などの脂肪酸や、植物ステロール(フィトステロール)を豊富に含んでいます。植物ステロールとは、野菜や果物に含まれる成分で、コレステロール(動物ステロール)とよく似た構造を持つ化合物です。コレステロールの場合、摂りすぎると健康へのリスクがありますが、植物ステロールは体内にほとんど吸収されません。また、ノコギリヤシたっぷり含まれる脂肪酸には、男性ホルモンに関係する酵素を阻害する働きがあり、前立腺肥大による排尿障害を改善する可能性も示唆されています。

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