「糖質制限」とは

「糖質制限」は、食事の糖質を極力カットする食事法のことです。糖質は、人間の生命維持や身体活動などに欠かせないエネルギー源となっている3大栄養素“たんぱく質”“炭水化物”“脂質”のうちのひとつ、炭水化物の一部です。炭水化物は、消化吸収できる“糖質”と、消化吸収できない“食物繊維”に分かれます。糖質制限は糖尿病の治療としても行われる食事法ですが、減量効果が高いことからダイエットにも活用されるようになりました。

なぜ「糖質制限」で、体重が落ちるのか?

糖質は、たんぱく質や脂質に比べ、摂取した際の血糖値の上昇が急激であるという点が特徴で、血糖値が急に上がると、それを抑えるためにホルモンの1つであるインスリンが多く分泌されることになります。インスリンには、血液中に存在している糖分を脂肪細胞に取り込むよう促す働きがあります。インスリンが多く分泌されるということは、血液中の余った糖分を脂肪に引き込み、体脂肪が蓄積されることに繋がってしまいます。糖質を制限することで血糖値の急激な上昇を抑え、インスリンの分泌を抑えることができるんです。

また、カラダを動かすエネルギーである糖質の摂取量が少なくなると、体内ではエネルギー不足を補うため、蓄積されている中性脂肪や体脂肪を分解してエネルギー源を作り出します。中性脂肪を分解するとき、肝臓では“ケトン体”と呼ばれるエネルギー源を生成します。このケトン体が糖の代わりとなり、カラダを動かすエネルギー源となるそうです。これにより、糖質が不足しているから、脂肪を分解してエネルギー源となるケトン体を生み出すという、本来備わっているカラダの仕組みが働くために体脂肪が減少していくんです。

「糖質制限」のメリット

筋肉の減少を抑えやすい

食事を制限して体重を落とす場合、もっとも気をつけなくてはいけないのが、摂取エネルギーの減少によって起こる筋肉の分解・減少になります。極端な食事制限をすると大幅に体重は減りますが、その多くは脂肪ではなく筋肉が減っていることが多いからです。

糖質制限ダイエットでは、摂取カロリーはしっかり確保しつつ、筋肉の元となるたんぱく質を多く摂取するため、筋肉量の減少を抑えることができます。

空腹を我慢しなくていい

糖質制限ダイエット中は摂取カロリーを制限しないため、しっかり食事を摂ることができます。たんぱく質や脂質は消化にかかる時間が長く腹持ちもいいため、ダイエットにありがちな空腹感をほとんど感じずにダイエットを進めることができます。

「糖質制限」のデメリット

食事量を減らしまう傾向になりがち

糖質制限中は、急激に体重が落ちることによってモチベーションが高まり、糖質だけでなく食事量全体を減らしてしまう方も少なくないそうです。しかし、それでは健康を害してしまいます。糖質制限中は、しっかり食べることが重要です。

糖質量が少なくなると、体調不良気味や便秘がちに

今まで不足なく体内にあった糖質がほとんどなくなることで、カラダが環境の変化を感じ、体調に影響をもたらす場合があります。特に糖質制限ダイエットを始めたばかりの時期は、頭痛や吐き気、めまい、不安感、倦怠感や無気力感、眠気などの症状が出る場合があるそうです。また、炭水化物を制限してしまうことで食物繊維が不足し、便秘になってしまう人もいます。糖質の少ない野菜や海藻類などを積極的に摂取し、食物繊維を補給しましょう。

糖質制限に慣れてくれば体調も安定してきます。初期の体調不良がつらい場合は制限を緩くし、少しずつ糖質量を減らしていくようにするとよいでしょう。

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